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飛車角不在の大宮攻撃陣を牽引したMF泉澤「自分が引っ張っていきたい」

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[3.21 J2第3節 大宮2-1京都 NACK]

 左サイドで165センチの小柄な男がボールを持つと、スタンドが沸いた。その歓声に応えるかのように大宮アルディージャのMF泉澤仁は、積極果敢に縦へと仕掛けて行った。大宮はFWムルジャ、MF家長昭博という攻撃の2枚看板が負傷欠場中。その中で、チームの攻撃を引っ張って行ったのが、泉澤だった。

「攻撃では自分が引っ張っていきたいと思っていたので。攻撃の一歩というか、攻撃の起点になれるように、という思いでやっていました」と振り返る。前半から再三にわたってチャンスメークできたことで「手応えはあります」と言うが、同時に課題も感じ取っていた。

「でも、結構、警戒されてきたところもあるので、次の打開策も考えないといけないかな、と。後半はなかなかボールを持たせてもらえませんでした。結構、(バランスの)悪い状態のときに潰しに来られたので、ボールが来る前の動きの工夫とかが重要だなと思っています」

 この試合、攻撃の核となり、サイドでチャンスをつくった泉澤。得点やアシストという目に見える『結果』が残れば、定位置獲得に近づきそうだが、自信は『結果』だけを求めていたわけではないと明かす。そこには今シーズン初先発となった前節・C大阪戦の反省があった。

「前節は点を取りたい、結果を残したいという気持ちで入っていたのですが、あとで試合を見返したら、自分が中へ、中へとドリブルしてしまっていて、チームにとってあまり効果的な動きはできていませんでした。だから、今日はゴールやアシストを考えずに、『ゴール前に運びたい』『チームが勝てばいい』という気持ちでした」

 途中出場した開幕戦に続き、2試合連続で後半44分までプレーした。「後半の途中でちょっと足にきていた。スタミナは課題」と言うが、「2人(ムルジャと家長)はいたらチームの中心だし、頼りになる。でも、その2人だけじゃないし、『不在だから負けた』とは言わせたくない。自分が攻撃を引っ張っていきたいし、そういう意味では今がチャンスだと思っている」と、チームの牽引役になる自覚は十分だ。

(取材・文 河合拓)

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