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「ブラボー!!」とゴール祝福のカズ 「入らないと思ったんだけど、入っちゃったね」

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[4.29 J2第10節 東京V0-1横浜FC 味スタ]

 29日に行われた東京ヴェルディとの一戦、右太腿裏痛のため、今シーズン初めてベンチ入りメンバーを外れた横浜FCのFW三浦知良は、スタンドからチームの戦いを見守った。見守ったというよりも、スタンドでチームと一緒に戦っていた。良いプレーには拍手を送り、うまくいかないと首をひねる。そしてMF中里崇宏が直接FKから先制点を挙げると、両腕を挙げてガッツポーズ。満面の笑みで拍手をしながら「ブラボー!! ザト!!」と大きな声で叫び、指笛を吹いていた。

 試合後、ミックスゾーンでの取材に応じたカズは、「みんな頑張っていたよ。勝って良かったよ」と、勝ち点3獲得を喜んだ。FKの場面では、中里のほかに、MF佐藤謙介、MF寺田紳一もボールの前に立っていた。そのとき、カズは隣で見ていた知人に「ザト(中里)が蹴ったら入らないと思うよ」と耳打ちしていたという。

「中里だからね。絶対に入らないと思っていたんだけど、入っちゃったね(笑)。ロッカールームで本人に言ってきたよ。『おまえが蹴るから入らないと思ったんだけど、入っちゃったな』って(笑)。でも、中里も嬉しそうだった。俺も、すごい嬉しいよ。一緒に仲良くしている選手なので。『ここで決めてくれ』っていうときに決めてくれたから。早く2点、3点、入れてほしいね。次の相手もジェフで、強いんでね。良い試合になってくれるといいね」と、チームの勝利に上機嫌だった。

 今シーズン、横浜FCが勝利した4試合はすべてアウェーゲーム。次の千葉戦も相性の良いアウェーゲームだ。「それもどうなのかな、と思うんだけどね」と、アウェーでしか勝てていない状況に首を傾げたカズは、「早くホームで勝つためにも、アウェーで勝ちたいね。次の試合も、自分たちより上位にいるジェフが相手。今日の試合に勝ったので、ジェフに勝てばさらに上に行く権利ができたと思う。その権利を大事に、次も戦いたいね」と話した。

 ただし、カズがピッチに戻るのは、もう少し先のことになりそうだ。「僕はちょっと無理だと思うんでね」と千葉戦への出場について言及し、今季初の連勝をチームメイトに託した。

(取材・文 河合拓)

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