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相手の裏をかいた決勝ヘッド、武藤「逆手に取った」

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[5.2 J1第1ステージ第9節 F東京2-1川崎F 味スタ]

 相手の裏をかいた。1-1で迎えた後半42分、FC東京はDF太田宏介の左FKにFW武藤嘉紀がニアサイドへ走り込んだ。豪快なヘディングシュートがゴールネットに突き刺さる。武藤の3試合ぶり今季6得点目が決勝点となり、2-1の逆転勝利を飾った。

「ああいう場面では、自分はファーに行くのが戦術的な決まり事だけど、それまでもずっとファーに行っていたし、相手も油断していると思った。逆手に取って、ニアに飛び込んで、そこを見てくれている(太田)宏介くんが素晴らしいの一言。スーパークロスだった」。得点後はチームメイトと一緒に“ゆりかごダンス”も披露。「森重選手に第2子が生まれたので、それを祝おうと思っていた。(点を)決めたらやるから、みんなもやってねと言っていたので」と明かした。

 前半21分、先制点を決めた川崎FのFW大久保嘉人はF東京のサポーターの前でカズダンスを披露していた。「悔しかったですね、大久保選手に決められたのは。ホームでああいうことをされて、悔しさも倍になる」。1点ビハインドで折り返した後半7分にはMF東慶悟のクロスに左足を伸ばしたが、ミートし切れず、決定機を逃していた。「自分自身、その前に決定機を外していたし、ミスを帳消しにしたいと思っていた」。さまざまな思いがあった。

 0-1の後半19分、ハーフウェーライン手前でボールを持った武藤が一気にドリブルで駆け上がり、相手PA近くでDF車屋紳太郎のファウルを誘った。このプレーで車屋は2枚目のイエローカードを受け、退場。数的優位に立つと、同26分に武藤が獲得したFKを太田が直接決めて、同点に追いついた。後半42分の決勝点につながるFKも武藤が獲得したもの。「ああいうところでファウルを取れば、素晴らしいシュート、クロスがある。ファウルを受けても、プラスに考えられるようになっている」という好循環がある。

 これでチームは3連勝。首位・浦和と勝ち点3差の2位に浮上した。チェルシーからオファーを受けるなど、その去就に注目が集まる武藤だが、今は目の前の試合に集中している。「特に焦ってはいないし、ここまでに答えを出すというのもない。チームもいい結果が出ているので、それを手助けできるプレーであったり、東京でしっかり結果を出すことに集中したい」と話していた。

(取材・文 西山紘平)

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