beacon

チェルシー移籍に揺れたことも…マインツ移籍のFW武藤「最初は英語を勉強していた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[5.30 J1第1ステージ第14節 F東京2-1柏 味スタ]

 どこよりも早く自分の力を認め、オファーをくれたチームへの移籍に悩んだこともあった。マインツ(ドイツ)への完全移籍が発表されたFC東京のFW武藤嘉紀だが、一番早くオファーを送ってきたのは、今シーズンのプレミアリーグを制したチェルシーだった。

 そのオファーに心が揺れることもあったと認める。移籍先を決める上で、「眠れない時期もあったし、サッカーに集中することが難しい時期もありました」と話す武藤は、「(チェルシーに心揺れたときは)ありましたよ、もちろん。世界のビッグクラブですし、本当に早くから、どこのクラブからもオファーがなかったときからオファーが来ていたので。そういったこともあって悩みました」と明かした。

 世界に名を轟かすビッグクラブのオファーを断り、マインツ移籍を決めた要因については、「最初から高望みして、自分の実力に合っていないクラブに行くよりも、自分に合ったチームに行こうと思いました。マインツというチームは、すごい誠意を見せてくれましたし、自分を必要としてくれたので、そういったところからマインツへの移籍を決めました」と説明する。

 また、「監督自身が僕を必要と言ってくれていた」と、マインツの監督ともやり取りがあったことも示唆した。マインツには現日本代表FW岡崎慎司も所属しているが、「忙しい中、メールで相談に乗ってもらいました」と言い、そのアドバイスを受けて「最初からゴールを狙っていきたいし、海外に挑戦するというのは難しいことだと思いますが、語学もしっかり習得して、いち早くチームに溶け込めるようにしたい」と、意気込みを語る。

 とはいえ、ドイツ語習得には、まだ時間が必要と感じているようだ。欧州移籍に備えて、最初に取り組んだのはドイツ語の勉強ではなかった。「どこに行くかわからなかったので、最初は英語を勉強していたのですが、急にドイツ語に切り替えることになって、非常に難しくて、苦戦しています」。

 オファーを受けてから、欧州移籍への気持ちが強くなったという。「3月にチェルシーからオファーをいただいて、ヨーロッパのクラブへ移籍する気持ちは強くなりました。そこからは、どこが自分に合うのかを考えましたし、移籍するか、しないか、というのもありましたけど、後押しをしてくれるチームメイトであったり、最高のファン・サポーターの方々がいたからこそ、一つ上のレベルで勝負したいという気持ちになりました。ここからは本当に結果を出さないと、出られなくなると思います。自分との戦いでもありますし、支えてくださった方々のためにも、しっかり結果を出したいと思います」

 現時点でチェルシーへの未練は「まったくない」と言うが、夢見るのはいつかビッグクラブから本当に求められる選手になることだ。「やっぱり、まずはマインツで結果を残すこと。上を見過ぎても仕方がないですし、そこで結果を残せば、また良い話を頂けると思うので、まずは自分を必要としてくれたチームにしっかり貢献をしたいなと思います」と、新天地での活躍を誓った。

(取材・文 河合拓)

TOP