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広島が劇的勝利で年間首位に浮上!寿人は不発、大久保豪快ミドルでゴンの記録まであと2点

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[10.17 J1第2ステージ第14節 広島2-1川崎F Eスタ]

 サンフレッチェ広島が注目の上位対決となった川崎フロンターレとの一戦を、2-1で制した。1-1で迎えた後半アディショナルタイム3分にMF山岸智が劇的な勝ち越しゴールを決めた。また浦和が敗れたことで、年間順位でも首位に浮上した。なお、川崎FはFW大久保嘉人が得点を挙げ、J1通算得点記録にあと2点と迫っている。

 J1通算得点で最多得点記録を狙う両エースの直接対決とあって、関東地方では地上波で生中継されるなど、注目を集めた一戦。順位的にも川崎Fにとっては第2ステージ首位の広島と勝ち点5差で迎える大事な一戦になった。

 ゴールシーンに期待が集まったが、前半は固い展開になった。前半3分にFW大久保嘉人がミドルシュートを放つが、攻撃に勢いがつかない。対する広島もサイド攻撃を中心にFW佐藤寿人や長身FWドウグラスに合わせに行くが、なかなかシュートまで持ち込めなかった。

 ただ、最初にリズムを掴んだのは川崎Fだった。前半30分、左サイドをFW小林悠が突破。クロスを上げると、広島DFが懸命にかき出し、難を逃れる。同35分には前半最大のチャンス、MF大島僚太のスルーパスに大久保が反応。しかし左足シュートはGK林卓人に右手一本で防がれ、跳ね返りに詰めた小林も押し込むことが出来なかった。結局、川崎Fは前半だけで9本のシュートを放ったが、ゴールネットを揺らすことは出来なかった。

 劣勢を耐えた広島。するとハーフタイムに森保一監督から「守備から攻撃にしっかり繋げていこう」と送り出されたイレブンが、後半早々、いきなり結果を出す。5分、左サイドでFKを獲得すると、MF柴崎晃誠のキックは川崎Fに跳ね返される。しかしDF塩谷司の落としが柴崎に戻ると、柴崎はダイレクトで狙う。右足から放たれたシュートは、右サイドネットに突き刺さり、待望の先制点になった。

 広島は後半14分に佐藤に代えてFW浅野拓磨を投入。FW中山雅史(アスルクラロ沼津)の持つJ1最多得点記録にあと1ゴールと迫っている佐藤だが、この日も得点はなく、これで5試合足踏みが続くことになった。

 後半の出端をくじかれることになった川崎F。失点直後にMF田坂祐介、MF中村憲剛が立て続けにシュートチャンスを迎えるが、決めきれずにいると、徐々にボールの回りも悪くなる。逆に前掛かりとなったところでカウンターを浴び、浅野拓磨に何度も危ない場面を作られてしまった。

 しかし、この男の右足が嫌なムードを一変させる。後半38分、DF武岡優斗からのパスをミドルレンジで受けた大久保が右足を一閃。ドライブ回転のかかったシュートはGK林の逆を突くようにしてゴール中央付近に吸い込まれていった。大久保は2試合連続ゴールで、得点ランキングを独走する今季22得点目。J1通算得点を155得点とし、中山の記録にあと2、佐藤の記録にもあと1ゴール差に迫った。

 ただ試合はこのままでは終わらなかった。後半アディショナルタイム、広島は浅野がゴール前まで持ち上がると、クロスボールのこぼれ球をMF山岸智が押し込み勝ち越し。広島が劇的な展開で上位対決を制した。

(取材・文 児玉幸洋)
●[J1]第2ステージ第14節 スコア速報

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