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「どうやって外した?」ミス帳消し弾に安堵の小林悠「帰れないと思った」

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[4.16 J1第1ステージ第7節 FC東京2-4川崎F 味スタ]

 迷いなく左足を振り抜いた。2度のビハインドを追いつき、2-2の同点で迎えた後半36分、川崎フロンターレはDFエウシーニョからのスルーパスをPA内左で受けたFW小林悠がワントラップから左足を一閃。豪快にゴールネットを揺らし、3-2と逆転に成功した。

「トラップからシュートまでイメージどおりだった」。4試合ぶり今季4ゴール目が自画自賛の決勝点。チームを逆転勝利に導く価値あるゴールは、自分自身のミスを帳消しにする名誉挽回の一発でもあった。

 1-1で折り返した後半5分、FW大久保嘉人のミドルシュートがクロスバーを直撃すると、同9分には自陣からのロングフィードに小林が抜け出した。前に出てきたGKもかわしてPA内に進入。あとは無人のゴールに押し込むだけだったが、ボールをコントロールし切れず、シュートを打ち切れなかった。

 決定機でのまさかのミス。ピッチに倒れ込んだまま頭を抱えた小林は「キーパーをかわして流し込もうとしたけど、芝生に引っかかったのか、ボールが止まったのか、うまく当たらなかった」と、その場面を振り返る。

 チームは直後の後半11分に勝ち越しゴールを許した。「このままでは帰れないと思った。決められて良かった」。後半32分に大久保のPKで追いつき、同36分に小林が決勝点。「今日はダメかなと思っていた。メンタル的に今までなら決められなかったかもしれない。試合を重ねて自信も付いてきたから。若いころならあきらめていたかもしれない」。そう率直に話した。

 チームメイトからも試合後、「あれは何だったんだよ」と“ツッコミ”を受けたという小林。大久保からは「どうやって外した?」と逆に質問され、「分からない」と答えるしかなかった。「顔を見たら唖然としていた。決めないとやばいなと。自分もそういう気持ちになった」とは大久保。2トップを組む“相棒”として、後輩の汚名返上の決勝点がうれしかったようだ。

(取材・文 西山紘平)

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