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15年度経営情報開示…鳥栖の3期連続赤字は回避、2期連続赤字もなし

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 Jリーグは27日、2015年度のクラブ経営情報の速報版を開示した。2015シーズンのJ1、J2、J3全52クラブのうち、3月決算の柏レイソルジュビロ磐田Y.S.C.C.横浜を除く49クラブの情報が公表された。3クラブを加えた全クラブの開示は7月にされる。

 J1、J2、J3クラブ合計の事業規模は約875億円となり、前年度比で約70億円の増加。ただ純利益では大宮アルディージャセレッソ大阪のJ2降格があったことなどから、約13億円の減収となった。

 J1、J2クラブ全体では、2014シーズンに引き続き、3期連続赤字、債務超過を全クラブが回避する見込み。単年赤字は鹿島アントラーズアルビレックス新潟清水エスパルス愛媛FCの4クラブで、前年度の8クラブから4減。過去最少の数字となった。J3クラブはグルージャ盛岡SC相模原が単年赤字となっている。

 前年度の発表で2期連続赤字となっていたサガン鳥栖は、300万円の黒字を計上。クラブライセンスに影響する3期連続赤字を回避した。営業収益が6億400万円、広告料収入も4億1400万円の増収となるなど、大きく改善がみられた。15年度で3年間の猶予期間が外れるJ3クラブの藤枝MYFCFC琉球も黒字となる見込みで、3期連続赤字を回避している。

 また前年度単年赤字だったベガルタ仙台ヴァンフォーレ甲府セレッソ大阪水戸ホーリーホックジェフユナイテッド千葉横浜FCFC岐阜ツエーゲン金沢ガイナーレ鳥取も純利益で黒字を計上。来年度のライセンスに影響が出る2期連続赤字のクラブもみられなかった。ブラウブリッツ秋田ガイナーレ鳥取の債務超過も改善された。なお、単年赤字だったYS横浜の情報は7月に開示される。

 昨年度、営業利益で4億8300円のマイナスを出しながらも、特別利益が22億5000万円あったことで、全クラブでトップの17億4600万円の純利益を計上していたヴィッセル神戸は、15年度は1100万円のプラスだった。今季は特別利益による“補てん”はなかったが、営業収入で11億9200万円、広告料収入で12億5300万円といずれも全クラブトップの増収を記録している。

■15年度純利益
▽J1(▲は損失)
仙台(3500万円)
山形(7800万円)
鹿島(▲3億4400万円)
浦和(5100万円)
3月決算
FC東京(3億7600万円)
川崎F(6100万円)
横浜FM(900万円)
湘南(500万円)
甲府(2100万円)
松本(2億7400万円)
新潟(▲1億2000万円)
清水(▲3億1000万円)
名古屋(3000万円)
G大阪(3700万円)
神戸(1100万円)
広島(1億5000万円)
鳥栖(300万円)
J1合計(3億6700万円)

▽J2
札幌(300万円)
水戸(200万円)
栃木(4200万円)
群馬(600万円)
大宮(0)
千葉(3100万円)
東京V(800万円)
横浜FC(100万円)
金沢(800万円)
磐田 3月決算
岐阜(300万円)
京都(1200万円)
C大阪(1600万円)
岡山(0)
讃岐(2500万円)
徳島(2億3400万円)
愛媛(▲1900万円)
福岡(4900万円)
北九州(300万円)
長崎(200万円)
熊本(200万円)
大分(2300万円)
J2合計(4億5100万円)

▽J3
盛岡(▲2000万円)
秋田(1700万円)
福島(100万円)
町田(0)
YS横浜 3月決算
相模原(▲200万円)
長野(1600万円)
富山(1000万円)
藤枝(0)
鳥取(200万円)
山口(2800万円)
琉球(200万円)
J3合計(5400万円)

(取材・文 児玉幸洋)

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