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10戦ぶり敗戦の京都、相手2列目に翻弄…GK菅野「敗因のひとつ」

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[6.19 J2第19節 東京V2-1京都 味スタ]

 10試合ぶりの黒星を喫した。京都サンガF.C.は先制するも、後半の2失点で東京ヴェルディに1-2の逆転負け。4月23日の徳島戦(0-1)以来、約2か月ぶりの敗戦だった。

 相手の負傷交代がまさかのマイナスに働いた。前半11分、相手2トップの一角を担っていたFW高木大輔が負傷交代。4-4-2システムでスタートした東京Vは、代わって投入したMF杉本竜士を左SHへ入れ、この位置で先発していたMF中野雅臣を最前線へ上げて、FWドウグラス・ヴィエイラと縦関係の2トップを組ませた。これにより、東京Vの2列目が厚くなり、京都守備陣は翻弄されることになった。

 京都のGK菅野孝憲は「相手のSHを捕まえきれなかった。相手SHが中に絞ってきていて、1試合を通して誰が捕まえるのかが曖昧になり、後ろですごく重たくなってしまった。迷っている選手もいた。それを90分続けた幼さというのは今日の敗因のひとつだったと思う」と振り返る。

 守護神の言葉どおり、前半17分には右サイドから中央へ流れてきたMF澤井直人の飛び出しから、あわや裏へ抜けられる場面もあった。PA直前でGK菅野が警告を受けつつカットしたが、守備陣が出遅れたために完全にフリーにさせるところだった。その後は左サイドから仕掛けてくる杉本のドリブルや自ら前へ仕掛けてはパスも狙う中野、裏を狙ってくる澤井に翻弄された。

 押し込まれる時間が続いた立ち上がりを石丸清隆監督は「ゲームの入りも良くなかった。菅野のファインセーブがなければ、先制されていた。全体として試合を通じて自分たちのやりたいことはほぼできなかった」と言う。

 とはいえ悪いながらも守護神の奮闘もあり、無失点で耐えたチームは前半32分に先制に成功。リードで前半を折り返した。しかし後半19分に失点。ミドルシュートのこぼれを、前に抜けていた澤井に拾われて試合を振り出しに戻された。さらに後半30分には菅野のゴールキックを跳ね返されると、前へ抜けたドウグラスをDF菅沼駿哉が倒してFKを献上。このFKからDF井林章にヘディングシュートを決められ、1-2の敗戦となった。

 約2か月も負けから遠ざかる日々が続いていたが、今季3敗目を喫した。試合後のミーティングでは「こういうときはどんなチームにも絶対ある。僕たちは挑戦者なんだから、まだ何も得ていないし負けないと勘違いしていたのかもしれないけれど、それは違うよと話をした」と菅野は明かす。

 好セーブを見せつつも、12戦ぶりの複数失点をしたGKは「これは必要な敗戦。色々見直さないと、僕たちはチャンピオンチームではなく、去年は17位のチーム。そういうところを謙虚に受け止めて、この敗戦からどう学ぶか。この敗戦を全員がどう受け止めるのかが次の試合のキーになる」と表情を引き締めた。

 この敗戦を糧にできるか。指揮官は「コンディションとメンタルを整えて、戦術を見つめ直していきます」と控える3連戦を見据えた。

(取材・文 片岡涼)

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