beacon

俺のせいで…浦和MF駒井が「人生で一番ホッとした」理由

このエントリーをはてなブックマークに追加
[11.3 J1第2ステージ第17節 浦和1-1横浜FM 埼玉]

 他会場の結果は分からなかった――。ハーフタイムには勝ち点差1で年間2位につける川崎Fが2-0でリードしている情報は入っていた。だからこそ、年間1位を守るためには勝利が絶対に必要。浦和レッズMF駒井善成は勝利だけを目指して、ピッチ上で戦っていた。

 0-0で後半を迎えると、攻勢を掛ける浦和は幾度となく横浜FMゴールに迫る。駒井自身も後半15分にMF関根貴大のシュートのこぼれ球に反応してゴールを脅かしたものの、ボールはゴールマウスを捉え切れず。「ビッグチャンスもあったし、ああいうところで決められないといけない」と課題を口にした。

 しかし、後半21分に関根のシュートのこぼれ球をMF柏木陽介が蹴り込んで先制に成功。これで、自力で年間1位が決まる状況が整った。だが後半40分、タッチライン際でボールを受けた駒井が相手にボールを奪われると、そこからカウンターを浴びて最後はMFマルティノスに同点ゴールを奪われてしまった。

 他会場の情報はハーフタイム時点のものしか入っていなかった駒井は、「マジでヤバいと思った。マジで死にそうになった」。脳裏に過ったのは、『このまま引き分けで終われば、川崎Fにかわされてしまう――』。しかし、実際には後半31分の段階で川崎FはG大阪に3-2と逆転を許しており、浦和は引き分けでも年間1位が決まる状況になっていた。

 駒井に川崎Fが逆転を許したという情報が回ってきたのは、「後半アディショナルタイム。最後の最後まで知らなかった」。だからこそ、1-1のまま試合終了のホイッスルが吹かれ、年間1位が確定した瞬間の心境は、「マジでホッとした」。取材エリアに姿を現すと、「『俺のせいで』と思っていたので。人生で一番ホッとしました。本当に良かった」と胸をなで下ろした。

(取材・文 折戸岳彦)
●[J1]第2ステージ第17節 スコア速報

TOP