東京Vと水戸のWBは明暗分かれる、高木大輔と湯澤洋介がみせたサイドの攻防
[3.11 J2第3節 東京V4-0水戸 味スタ]
サイドの攻防が試合の鍵を握っていた。東京ヴェルディの右WB高木大輔と対面の水戸ホーリーホックの左WB湯澤洋介は激しい攻防をみせて、試合を盛り上げた。結果として、高木大はPK獲得にアシストも記録。湯澤は高木大を倒して先制点となるPKを献上。明暗が分かれた。
立ち上がりから東京VはDF永田充のライナー性のロングフィードを武器に深みのある攻撃を繰り出した。高木大は「充さんと目が合った瞬間」に前へ走り込んではチャンスメイク。序盤から続けざまに裏を狙っていくなかで、対面の相手に“穴”があることに気がついたという。
「自分を見る回数や身体の向きが悪いと前半の早い時間に並んだとき、分かったんです。自分を見る回数も少なかったですし、半身ではなく棒立ちという感じだった。ラインを守ろう守ろうとしていて、そこで入れ替われるなと感じました」
実際に湯澤は守備に不安を感じながらプレーしていた。「DFの最終ラインの決まりごとがわかっていなかった」からだ。ラインを気にするあまり、ポジショニングがちぐはぐに。いく必要のない場所に食いついてしまうことで中途半端な場所で裏を取られると、味方もカバーに入れず。フリーにさせてしまう場面も目立った。
「前半が終わってから、DFラインの人に“相手がボールを蹴りそうだったら、ラインを崩していいから下がっていいよ”と言われました。前半はそれが出来ていなくて、蹴られてからの後追いで全部いっていったので、ああいう状況になってしまっていたんだなと。ラインを合わせることばかりを意識していました……」
そして湯澤が「試合のターニングポイントだった」と振り返るのが0-0で迎えた前半32分。永田のライナー性のボールからPA内へ抜け出た高木大を湯澤が倒し、PKの判定。「相手が目を離した隙に生まれたPK」(高木大)をFW高木善朗が決めて、東京Vが先制した。
1-0で迎えた後半。ハーフタイムにMF橋本晃司から「相手が裏を警戒しているから、足元でもらってどんどん仕掛けていけ。足元に出すから」と声をかけられていた湯澤は、PA内へ持ち込むシーンもあったが、対面の高木大とサポートに入ったDF井林章に囲まれるなどして、シュートで終われず。チームは退場者を出し、2失点目も喫した。後半26分に不完全燃焼のままに湯澤は交代。そこからさらに2点を失った水戸は0-4の敗戦となった。
試合後、水戸の西ヶ谷隆之監督は湯澤の裏を狙われたことについて、「そこを今度は自分たちが裏返せればいいと思っていました。(PKの場面は)映像で見るとオフサイドかオンサイドか微妙なところなので。(湯澤の)あのポジションに入れば、あの形は出てくる。あそこは彼が苦手な部分としているところかもしれませんが、ゲームで修正していかなければいけないですし、もうひとつこの経験を次の試合につなげていってくれれば。そこのジャッジも含めて、今日はいいように運ばなかったのが事実」と振り返った。
湯澤が「経験を積んだと思えるようにします」と唇を噛んだ一方で、高木大は「あそこにボールを出してくれるので走りがいがある」と永田との連携、WBとしての攻撃に自信を深めた様子。明暗が分かれたとはいえ、それぞれ得たものの大きな“1試合”になった。
(取材・文 片岡涼)
サイドの攻防が試合の鍵を握っていた。東京ヴェルディの右WB高木大輔と対面の水戸ホーリーホックの左WB湯澤洋介は激しい攻防をみせて、試合を盛り上げた。結果として、高木大はPK獲得にアシストも記録。湯澤は高木大を倒して先制点となるPKを献上。明暗が分かれた。
立ち上がりから東京VはDF永田充のライナー性のロングフィードを武器に深みのある攻撃を繰り出した。高木大は「充さんと目が合った瞬間」に前へ走り込んではチャンスメイク。序盤から続けざまに裏を狙っていくなかで、対面の相手に“穴”があることに気がついたという。
「自分を見る回数や身体の向きが悪いと前半の早い時間に並んだとき、分かったんです。自分を見る回数も少なかったですし、半身ではなく棒立ちという感じだった。ラインを守ろう守ろうとしていて、そこで入れ替われるなと感じました」
実際に湯澤は守備に不安を感じながらプレーしていた。「DFの最終ラインの決まりごとがわかっていなかった」からだ。ラインを気にするあまり、ポジショニングがちぐはぐに。いく必要のない場所に食いついてしまうことで中途半端な場所で裏を取られると、味方もカバーに入れず。フリーにさせてしまう場面も目立った。
「前半が終わってから、DFラインの人に“相手がボールを蹴りそうだったら、ラインを崩していいから下がっていいよ”と言われました。前半はそれが出来ていなくて、蹴られてからの後追いで全部いっていったので、ああいう状況になってしまっていたんだなと。ラインを合わせることばかりを意識していました……」
そして湯澤が「試合のターニングポイントだった」と振り返るのが0-0で迎えた前半32分。永田のライナー性のボールからPA内へ抜け出た高木大を湯澤が倒し、PKの判定。「相手が目を離した隙に生まれたPK」(高木大)をFW高木善朗が決めて、東京Vが先制した。
1-0で迎えた後半。ハーフタイムにMF橋本晃司から「相手が裏を警戒しているから、足元でもらってどんどん仕掛けていけ。足元に出すから」と声をかけられていた湯澤は、PA内へ持ち込むシーンもあったが、対面の高木大とサポートに入ったDF井林章に囲まれるなどして、シュートで終われず。チームは退場者を出し、2失点目も喫した。後半26分に不完全燃焼のままに湯澤は交代。そこからさらに2点を失った水戸は0-4の敗戦となった。
試合後、水戸の西ヶ谷隆之監督は湯澤の裏を狙われたことについて、「そこを今度は自分たちが裏返せればいいと思っていました。(PKの場面は)映像で見るとオフサイドかオンサイドか微妙なところなので。(湯澤の)あのポジションに入れば、あの形は出てくる。あそこは彼が苦手な部分としているところかもしれませんが、ゲームで修正していかなければいけないですし、もうひとつこの経験を次の試合につなげていってくれれば。そこのジャッジも含めて、今日はいいように運ばなかったのが事実」と振り返った。
湯澤が「経験を積んだと思えるようにします」と唇を噛んだ一方で、高木大は「あそこにボールを出してくれるので走りがいがある」と永田との連携、WBとしての攻撃に自信を深めた様子。明暗が分かれたとはいえ、それぞれ得たものの大きな“1試合”になった。
(取材・文 片岡涼)