「U-20W杯までは無理だと思っていた」…湘南DF杉岡大暉、世界相手に自身の可能性を広げた18歳
「DAZN×ゲキサカ」1年目のJリーガー~ルーキーたちの現在地~Vol.6
今季、市立船橋高から湘南ベルマーレに加入したDF杉岡大暉は開幕スタメンを勝ち取ると、その後もポジションを守り続けるだけでなく、第2節のJ初ゴールを皮切りに3得点を記録する活躍を披露。そして、5月に行われたU-20W杯では左SBとしてプレーし、自らの可能性を広げて湘南へと戻ってきた。充実したプロ1年目のシーズンを送る18歳は今、何を思うのか――。
ゴールは気にしない
“普通”のプレーを褒められたい
――所属する湘南ではU-20W杯でチームを離れた期間もありますが、開幕からスタメンを守り、(第19節終了時点で)3得点を挙げています。開幕前、これだけ早くJのピッチで活躍できると想像できましたか。
「本当にゴールに関しては出来すぎだと思うし、全然想像していなかったです。湘南でレギュラー争いをしながら、徐々に試合経験を積んでいくような1年にしようと開幕前にイメージしていたし、U-20W杯メンバーにも選ばれないと思っていました。でも開幕スタメンは目指していたし、すぐに試合に出たいと思っていたので、そういう意味ではキャンプで良いアピールができたと感じています」
――改めて湘南加入を決断した決め手を教えて下さい。
「『湘南スタイル』が自分に合っていると思えたのは大きかったです。あと、若手の育成に定評があるチームだと思っていました。ただ、それだけで決断するのには少しためらいがありましたが、実際に練習参加したり、試合を見ることで、絶対に成長できると感じたので、そこが決め手になったと思います。曺さん(曺貴裁監督)の影響もあると思いますが、練習参加したときから、『誰にでもチャンスがある』『アピールに成功すれば、若手も使ってくれる』と感じ取れたし、自分次第で上まで行けるチームだと思った。今は本当に湘南に来て良かったと感じています」
――第2節群馬戦(○3-1)で早々とJリーグ初ゴールを奪うだけでなく、第10節岡山戦(○2-0)と第18節徳島戦(○1-0)では強烈な左足のシュートを決めました。
「岡山戦のゴールはボールしか見ていなくて、たまたま決まったという感じでしたが、徳島戦は狙って決められたので自信にもなったし、良かったとは思います。ただ、本当に決めたことのないようなゴールばかりで、僕自身もここまでゴールという結果が出るとは思っていなかった。逆にゴールを意識せずにプレーに夢中になっていることで、ここまで取れているのかなという思いはありますが、ゴールはあまり気にしていません」
――ゴールを奪った後の周囲の反響も大きかったと思いますが。
「僕はゴールを取ったから『すごい』とあまり思われたくないというか、普通のプレーを褒められたい気持ちがあります。『ビルドアップが安定しているね』『仕掛けて行くのがアグレッシブだね』とか、『杉岡の守備は安心できる』とか、そういう部分を評価してほしいので、ゴールは“おまけ”とまでは言いませんが、そこまで気にしないようにしています。特に持ち運ぶところは、自分にしかない長所として生かしていきたいと思っているので、これからもドンドン出していきたいです」
――中学生の頃は中盤の選手だったこともあり、ドリブルには相当自信があるようですね。
「小学生くらいのときは結構ガンガン行っていたし、ドリブルが好きだったので、その意識が残っています。でもスピードが特別あるわけではないし、技術が高いわけでもなく、派手な選手でもない。僕は守備をしてナンボの選手なので、攻撃的なポジションは難しいかなと思っていました。最終ラインから攻め上がる方が、相手も油断しているというか、隙も生まれやすいので、『行ける』と感じたら一番後ろからガンガン仕掛けていきたいですね」
――順調にプロ生活をスタートされたと思いますが、残りのシーズンでどう成長していきたいですか。
「プロになってサッカーに費やす時間が本当に増えたと思います。サッカーが仕事だと実感しているし、本当にサッカーしかない。けど、毎日が充実しているし、サッカーのことでやることだらけです。足りないものが多い分、自分でも伸びしろがあると感じているので、年間を通して試合に出続けることを目標に、試合に出るだけでなく、一つひとつ課題をクリアして攻守にもっと成長していきたいです」
SBでやれる自信を得られた
自分の可能性を引き出せた大会
――5月にはU-20日本代表の一員としてU-20W杯に出場しました。
「SBでもやれるという自信を得られたし、本当にあの大会を経験できて良かったです。せっかく世界と対戦するなら、強力なアタッカーとマッチアップしたいと思っていたので、自分が思い描いていたような理想通りの経験ができたと思います」
――U-20日本代表ではずっとCBで調整を続けていましたが、グループリーグ第3節イタリア戦(△2-2)と決勝トーナメント1回戦ベネズエラ戦(●0-1)では左SBでの出場となりました。
「僕は高校の頃はチームで一番足が遅いくらいで、本当にスピードがなかったんです。トレーニングをこなして少しずつ速くなり、高3の頃には普通くらいのレベルになったと思いますが、SBは本当に速い選手がプレーするイメージがあるので、正直W杯の前までは僕には無理かなと思っていた。できないことはないけど、向いているとは思わなかったですね。でも、本当に試合に出たかったので、試合に出られるならどこのポジションでも良いと思っていました」
――ただ、イタリア戦では対面するFWリカルド・オルソリーニに開始3分でいきなり先制点を奪われてしまいます。
「さすがにマズイと思いました…。でも、自分が経験してきたことを振り返ると、『その後のプレーが大事だ』と分かっていたので、うまく割り切れたと思います。失点の後は自分のペースでやれたところがあったし、ドリブルだったり、ワンツーで入って上がっていくことが前半に何回かできた時点で自信を持てたし、守備でも対人のところで止められた部分もあったので、間違いなく良い経験になったと思います」
――左SBの経験がそれほどない中で、よく立て直せましたね。
「U-20日本代表では練習を含めて、ずっとCBでプレーしていましたが、湘南では3バックでも、結構サイドに開いて4バック気味にプレーするときもありました。その経験があったので、やれるだろうと思ったし、やっぱり良い意味で気にせずにやれたのが良かったと思う。それに決勝トーナメントに進出して、決勝トーナメントでも自分が絶対に出てやろうという気持ちがあったので、良いプレーをしてアピールして、次につなげたい気持ちが強かったですね」
――続くベネズエラ戦でも先発出場を果たしました。対面したFWセルヒオ・コルドバはグループリーグ3戦で4点を奪っていました。
「イタリア戦で攻守に自信を持てていたし、連係の部分もしっかり話し合いができていました。ベネズエラを相手に90分をゼロで抑えられたということは、大会期間中の短期間で少しは成長できたのかなと感じます。本当にSBであれだけ自信を持ってプレーできたのは、自分自身初めてだった。スピードに自信がなくても、タイミングとかを工夫して細かい駆け引きで勝負できると感じたので、そう考えると、自分の可能性を引き出せた大会だったと思います」
SBとCBを高いレベルでこなす
それを自分の特長の一つにしたい
――U-20W杯期間中に湘南も4バックを併用するようになり、チームに復帰後は左SBで起用されることもあります。
「ちょっとビックリしましたね(笑)。本当にうまい具合にというか、良いタイミングで湘南も4バックを使うようになっていました。でも、チームでやるべきことは変わっていなかったので、そんなに戸惑いませんでした」
――3バックの左CBの方が持ち味を発揮しやすいと感じることはありませんか。
「4バックのCBだとあまり攻撃参加できないし、SBだとやっぱりU-20W杯前の自分はサイドを駆け回れる選手ではないと思っていたので、3バックが自分には一番合っているのかなとは感じていました。でもU-20W杯を経験してSBでもやれる自信を得られたので、今はSBでのプレーを前向きに捉えています」
――今後はSBで勝負していこうという決心も?
「いや、まだSBで絶対にプレーしたいという感じではないですね。CBにはCBのやりがいがあるので、今はどちらのポジションもトップレベルでやれるようにしたいと思っています。U-20W杯を経験して、複数のポジションができた方がいいと感じたし、監督側からしてみても、そういう選手はメンバーに入れておきたいと思います。だからどちらかに絞るのではなく、可能性があるのなら両方をレベルアップさせていきたいと思っています」
――SBとCBを高いレベルでこなせる選手は、世界を見てもあまりいないように感じます。
「身長の高いSBは少ないし、CBもできるSBというのはあまりいないですよね。SBとサイドハーフ、CBとボランチをこなす選手は多いと思いますが、SBとCBをこなす選手はパッと思いつかないので、新しい道とまでは言えませんが、どちらもこなせるようにしていきたいし、それを自分の特長の一つにしていきたいです」
――U-20W杯を経験して、自分が伸ばさないといけない部分も見えてきたと思います。
「すべて伸ばしたいと言えばすべてで、すべてのプレーのアベレージを上げていかないといけないと思っています。自信を得られた部分もありましたが、攻撃に参加する回数が増えると疲弊してしまうし、最後の駆け引きの部分で世界との差を感じたので、そういう部分も成長させたい。特に対人の部分や攻撃の最後の質は自分の武器にしていくくらいの気持ちで、意識しながら伸ばしていきたいです」
――20年には東京五輪が開催されますが、サッカー人生の中でどのような位置に捉えていますか。
「U-20W杯前にも話していたことですが、正直メンバーに選ばれるか分からなかったU-20W杯よりも、東京五輪を一番の目標にしていた部分がありました。そう考えていたし、本当に巡り合わせと言いますか、五輪が東京で開催される年代に生まれたのはすごいことだと思う。絶対にメンバーに入りたいし、一生に一度あるかないかの東京での五輪なので、そこで日本代表の一員としてピッチに立ちたいという思いは強いです」
――そのときのポジションはSB? それともCB?
「どちらも高いレベルでやれるくらいにしておきたいです(笑)。U-20W杯よりも五輪は登録メンバーが少なくなるし(U-20W杯=21人、五輪=18人)、オーバーエイジが採用されると、より厳しい争いになると思うので、SBでもCBでも、どちらのポジションでも計算できる選手になれるように湘南で日々成長してきます」
(取材・文 折戸岳彦)
今季、市立船橋高から湘南ベルマーレに加入したDF杉岡大暉は開幕スタメンを勝ち取ると、その後もポジションを守り続けるだけでなく、第2節のJ初ゴールを皮切りに3得点を記録する活躍を披露。そして、5月に行われたU-20W杯では左SBとしてプレーし、自らの可能性を広げて湘南へと戻ってきた。充実したプロ1年目のシーズンを送る18歳は今、何を思うのか――。
ゴールは気にしない
“普通”のプレーを褒められたい
――所属する湘南ではU-20W杯でチームを離れた期間もありますが、開幕からスタメンを守り、(第19節終了時点で)3得点を挙げています。開幕前、これだけ早くJのピッチで活躍できると想像できましたか。
「本当にゴールに関しては出来すぎだと思うし、全然想像していなかったです。湘南でレギュラー争いをしながら、徐々に試合経験を積んでいくような1年にしようと開幕前にイメージしていたし、U-20W杯メンバーにも選ばれないと思っていました。でも開幕スタメンは目指していたし、すぐに試合に出たいと思っていたので、そういう意味ではキャンプで良いアピールができたと感じています」
――改めて湘南加入を決断した決め手を教えて下さい。
「『湘南スタイル』が自分に合っていると思えたのは大きかったです。あと、若手の育成に定評があるチームだと思っていました。ただ、それだけで決断するのには少しためらいがありましたが、実際に練習参加したり、試合を見ることで、絶対に成長できると感じたので、そこが決め手になったと思います。曺さん(曺貴裁監督)の影響もあると思いますが、練習参加したときから、『誰にでもチャンスがある』『アピールに成功すれば、若手も使ってくれる』と感じ取れたし、自分次第で上まで行けるチームだと思った。今は本当に湘南に来て良かったと感じています」
――第2節群馬戦(○3-1)で早々とJリーグ初ゴールを奪うだけでなく、第10節岡山戦(○2-0)と第18節徳島戦(○1-0)では強烈な左足のシュートを決めました。
「岡山戦のゴールはボールしか見ていなくて、たまたま決まったという感じでしたが、徳島戦は狙って決められたので自信にもなったし、良かったとは思います。ただ、本当に決めたことのないようなゴールばかりで、僕自身もここまでゴールという結果が出るとは思っていなかった。逆にゴールを意識せずにプレーに夢中になっていることで、ここまで取れているのかなという思いはありますが、ゴールはあまり気にしていません」
――ゴールを奪った後の周囲の反響も大きかったと思いますが。
「僕はゴールを取ったから『すごい』とあまり思われたくないというか、普通のプレーを褒められたい気持ちがあります。『ビルドアップが安定しているね』『仕掛けて行くのがアグレッシブだね』とか、『杉岡の守備は安心できる』とか、そういう部分を評価してほしいので、ゴールは“おまけ”とまでは言いませんが、そこまで気にしないようにしています。特に持ち運ぶところは、自分にしかない長所として生かしていきたいと思っているので、これからもドンドン出していきたいです」
――中学生の頃は中盤の選手だったこともあり、ドリブルには相当自信があるようですね。
「小学生くらいのときは結構ガンガン行っていたし、ドリブルが好きだったので、その意識が残っています。でもスピードが特別あるわけではないし、技術が高いわけでもなく、派手な選手でもない。僕は守備をしてナンボの選手なので、攻撃的なポジションは難しいかなと思っていました。最終ラインから攻め上がる方が、相手も油断しているというか、隙も生まれやすいので、『行ける』と感じたら一番後ろからガンガン仕掛けていきたいですね」
――順調にプロ生活をスタートされたと思いますが、残りのシーズンでどう成長していきたいですか。
「プロになってサッカーに費やす時間が本当に増えたと思います。サッカーが仕事だと実感しているし、本当にサッカーしかない。けど、毎日が充実しているし、サッカーのことでやることだらけです。足りないものが多い分、自分でも伸びしろがあると感じているので、年間を通して試合に出続けることを目標に、試合に出るだけでなく、一つひとつ課題をクリアして攻守にもっと成長していきたいです」
SBでやれる自信を得られた
自分の可能性を引き出せた大会
――5月にはU-20日本代表の一員としてU-20W杯に出場しました。
「SBでもやれるという自信を得られたし、本当にあの大会を経験できて良かったです。せっかく世界と対戦するなら、強力なアタッカーとマッチアップしたいと思っていたので、自分が思い描いていたような理想通りの経験ができたと思います」
――U-20日本代表ではずっとCBで調整を続けていましたが、グループリーグ第3節イタリア戦(△2-2)と決勝トーナメント1回戦ベネズエラ戦(●0-1)では左SBでの出場となりました。
「僕は高校の頃はチームで一番足が遅いくらいで、本当にスピードがなかったんです。トレーニングをこなして少しずつ速くなり、高3の頃には普通くらいのレベルになったと思いますが、SBは本当に速い選手がプレーするイメージがあるので、正直W杯の前までは僕には無理かなと思っていた。できないことはないけど、向いているとは思わなかったですね。でも、本当に試合に出たかったので、試合に出られるならどこのポジションでも良いと思っていました」
――ただ、イタリア戦では対面するFWリカルド・オルソリーニに開始3分でいきなり先制点を奪われてしまいます。
「さすがにマズイと思いました…。でも、自分が経験してきたことを振り返ると、『その後のプレーが大事だ』と分かっていたので、うまく割り切れたと思います。失点の後は自分のペースでやれたところがあったし、ドリブルだったり、ワンツーで入って上がっていくことが前半に何回かできた時点で自信を持てたし、守備でも対人のところで止められた部分もあったので、間違いなく良い経験になったと思います」
――左SBの経験がそれほどない中で、よく立て直せましたね。
「U-20日本代表では練習を含めて、ずっとCBでプレーしていましたが、湘南では3バックでも、結構サイドに開いて4バック気味にプレーするときもありました。その経験があったので、やれるだろうと思ったし、やっぱり良い意味で気にせずにやれたのが良かったと思う。それに決勝トーナメントに進出して、決勝トーナメントでも自分が絶対に出てやろうという気持ちがあったので、良いプレーをしてアピールして、次につなげたい気持ちが強かったですね」
――続くベネズエラ戦でも先発出場を果たしました。対面したFWセルヒオ・コルドバはグループリーグ3戦で4点を奪っていました。
「イタリア戦で攻守に自信を持てていたし、連係の部分もしっかり話し合いができていました。ベネズエラを相手に90分をゼロで抑えられたということは、大会期間中の短期間で少しは成長できたのかなと感じます。本当にSBであれだけ自信を持ってプレーできたのは、自分自身初めてだった。スピードに自信がなくても、タイミングとかを工夫して細かい駆け引きで勝負できると感じたので、そう考えると、自分の可能性を引き出せた大会だったと思います」
SBとCBを高いレベルでこなす
それを自分の特長の一つにしたい
――U-20W杯期間中に湘南も4バックを併用するようになり、チームに復帰後は左SBで起用されることもあります。
「ちょっとビックリしましたね(笑)。本当にうまい具合にというか、良いタイミングで湘南も4バックを使うようになっていました。でも、チームでやるべきことは変わっていなかったので、そんなに戸惑いませんでした」
――3バックの左CBの方が持ち味を発揮しやすいと感じることはありませんか。
「4バックのCBだとあまり攻撃参加できないし、SBだとやっぱりU-20W杯前の自分はサイドを駆け回れる選手ではないと思っていたので、3バックが自分には一番合っているのかなとは感じていました。でもU-20W杯を経験してSBでもやれる自信を得られたので、今はSBでのプレーを前向きに捉えています」
――今後はSBで勝負していこうという決心も?
「いや、まだSBで絶対にプレーしたいという感じではないですね。CBにはCBのやりがいがあるので、今はどちらのポジションもトップレベルでやれるようにしたいと思っています。U-20W杯を経験して、複数のポジションができた方がいいと感じたし、監督側からしてみても、そういう選手はメンバーに入れておきたいと思います。だからどちらかに絞るのではなく、可能性があるのなら両方をレベルアップさせていきたいと思っています」
――SBとCBを高いレベルでこなせる選手は、世界を見てもあまりいないように感じます。
「身長の高いSBは少ないし、CBもできるSBというのはあまりいないですよね。SBとサイドハーフ、CBとボランチをこなす選手は多いと思いますが、SBとCBをこなす選手はパッと思いつかないので、新しい道とまでは言えませんが、どちらもこなせるようにしていきたいし、それを自分の特長の一つにしていきたいです」
――U-20W杯を経験して、自分が伸ばさないといけない部分も見えてきたと思います。
「すべて伸ばしたいと言えばすべてで、すべてのプレーのアベレージを上げていかないといけないと思っています。自信を得られた部分もありましたが、攻撃に参加する回数が増えると疲弊してしまうし、最後の駆け引きの部分で世界との差を感じたので、そういう部分も成長させたい。特に対人の部分や攻撃の最後の質は自分の武器にしていくくらいの気持ちで、意識しながら伸ばしていきたいです」
――20年には東京五輪が開催されますが、サッカー人生の中でどのような位置に捉えていますか。
「U-20W杯前にも話していたことですが、正直メンバーに選ばれるか分からなかったU-20W杯よりも、東京五輪を一番の目標にしていた部分がありました。そう考えていたし、本当に巡り合わせと言いますか、五輪が東京で開催される年代に生まれたのはすごいことだと思う。絶対にメンバーに入りたいし、一生に一度あるかないかの東京での五輪なので、そこで日本代表の一員としてピッチに立ちたいという思いは強いです」
――そのときのポジションはSB? それともCB?
「どちらも高いレベルでやれるくらいにしておきたいです(笑)。U-20W杯よりも五輪は登録メンバーが少なくなるし(U-20W杯=21人、五輪=18人)、オーバーエイジが採用されると、より厳しい争いになると思うので、SBでもCBでも、どちらのポジションでも計算できる選手になれるように湘南で日々成長してきます」
(取材・文 折戸岳彦)