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こんなはずじゃなかった!? 浦和MF関根、圧巻5人抜き決勝弾も「仕方なくドリブルを始めた」

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決勝点を奪った浦和レッズMF関根貴大

[7.1 J1第17節 浦和4-3広島 埼玉]

 時計の針は90分を回っている。スコアは3-3。残された時間が限られた中、自陣でボールを拾った浦和レッズMF関根貴大は徐々にドリブルのスピードを上げていった――。

 FWアンデルソン・ロペスの突破をDF槙野智章が阻むと、左サイドで待ち構える関根の足元へとボールが転がってくる。この時点では「最初は(ドリブルで)行く気がなかった」ものの、「相手選手が勢い良くプレッシャーに来てパスコースがなくなってしまった」ため、「仕方なくドリブルを始めた」と周囲の状況を確認して、ゴールに向かってドリブルを開始する。

 後方からパスコースを切って迫ってくるFW皆川佑介を振り切ると、眼前に立ちふさがったMF柴崎晃誠を引きずりながらボールを運び、カバーに入ったMF清水航平と柴崎の間を強引に抜けて、左から中央のエリアに進入。「2人の間を抜いたときにスピードに乗れた。その後はゴール前でいつ打とうかとタイミングを見計らっていた」。

 スライディングで阻みに来たDF野上結貴を冷静にかわし、さらに右に持ち出すと、DF千葉和彦、DF水本裕貴を次々と外してシュート体勢に入る。「パスの選択肢はなかった。GKが寄っていたのが見えたので、そこしかないと思った」と右足からシュートを放つと、ニアサイドを抜いたボールはゴールネットを揺らし、あまりにも衝撃的な5人抜きゴールが生まれた。

「もっと早く打つイメージはあったし、流れて最後の選手まで抜いてというのは最初はまったくイメージしていなかった。たまたま抜けた感じ」と背番号24はおどけたが、この得点が決勝点となり、チームは連敗を3でストップさせた。そして、1人で埼玉スタジアムを一周してサポーターに勝利の報告をした場面を振り返ると、「1人で埼スタを一周できることもなかなかないので、気持ち良かった。最高の時間だった」と白い歯を見せた。

(取材・文 折戸岳彦)
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