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“みんなでつかんだ”独走昇格!決定の瞬間を見届けた湘南チョウ監督「彼らを誇りに思います」

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J1自動昇格が決まり、報道陣の取材に答える湘南ベルマーレのチョウ・キジェ監督

[10.28 J2第39節 東京V 0-0 福岡 味スタ]

 アビスパ福岡が引き分けたことで、29日に岡山戦を控える首位の湘南ベルマーレは2位以上が確定し、J1自動昇格が決まった。第40節で福岡と対戦する湘南のチョウ・キジェ監督は、「スカウティングのため」とこの一戦をスタジアムで観戦し、昇格決定直後に報道陣の取材に応じた。

「4試合を残してこういう立ち位置にいられたことは、毎年選手が替わる中で一丸となって努力してくれた結果。彼らを誇りに思います」。監督として湘南を3度目のJ1昇格に導いた指揮官は、落ち着いた表情で選手をねぎらった。

 ここまで38試合で勝ち点80。消化試合数が1試合多い2位の長崎と勝ち点差『9』という“独走昇格”となったが、「すごく悩んだし、すごく考えた。試行錯誤の昇格だった」と振り返る。J2降格となった今季開幕前、これまでチームを支えてきたMF菊池大介、MF三竿雄斗ら主力が流出。「開幕戦から苦しかったというか、できあがりつつあったものが、頭と足だけ切られて、真ん中だけなくなっちゃった」。

 そんな中でも「僕は『昇格だ』とか『優勝だ』とか一言も言っていないんですけど、プレーした選手が去年とかその前の悔しさとか、ここに残ってやってやるんだ、強くなるんだという気持ちがあった」と選手が奮起。さらに「ゼロからスタートして、(前回昇格した)2014年から4人か5人しか残っていないと思うんですが、チームコンセプトを理解してくれた」と新たな選手たちも融合し、「“みんな”で答えを導き出した」結果の栄誉となった。

 だからこそ、そうしてつかんだJ1の舞台を決して無駄にはできない。「この10年で4回(2009、12、14、17年)も昇格したチームは湘南だけなので、絶対に学んだことを生かさなきゃいけない年になる。良い意味で、死に物狂いで戦わなきゃいけないという気持ち」と過去の経験も背負って戦う覚悟を見せた。

 また取材の最後には、台風21号で水没した練習場の馬入サッカー場に集まり、復旧活動に尽力した人々への感謝も口にした。「自然災害に遭って1日も使えないなかで、クラブのスタッフ、公式戦を控えたユースやジュニアユースの選手、親御さんとかサポーターの方々がたくさん来てくれた。それだけで一体感がつくれるものではないと思いつつも、振り返ってみると昇格はそういう人たちの思いの賜物だと思う。彼らにありがとうと言いたいです」。まさに“みんな”で勝ち得た昇格となった。

(取材・文 竹内達也)
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