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MVP受賞で個人3冠の小林悠、家族が壇上に上がる“サプライズ祝福”

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長男の結翔くんから花束を受け取るFW小林悠

 Jリーグは5日、横浜アリーナで「2017 Jリーグアウォーズ」を開催した。Jリーグ初優勝を飾った川崎フロンターレのFW小林悠が最優秀選手賞(MVP)を初受賞。得点王、ベストイレブン、MVPの“個人3冠”を達成した。

「個人的なことで申し訳ないけど、一番感謝を伝えたい人がいるので言わせてください。プロになってからケガの多かった僕と、悔しいを思いをするたびに一緒に泣いてくれて、乗り越えてくれた奥さんに感謝の気持ちを伝えたいです。ありがとう」

 そう直子夫人への感謝を述べた小林。スピーチのあとにはその直子夫人と2人の息子が壇上に上がり、長男の結翔くんから花束を受け取る“サプライズ”もあった。その後、結翔くんがステージを駆け回る姿に場内が湧く場面もあり、直子夫人からは「一番近くでがんばっているのを見てきたので、その努力が報われたのがうれしいです」と祝福された。

 今季から川崎Fのキャプテンに就任し、クラブ悲願の初タイトルとなるリーグ制覇に導いた。「今年からキャプテンを任されて、初めのキャンプのときにチームメイトの前で言った言葉があります。僕は普段頼りないし、サッカーもチームの中ではうまくないけど、このフロンターレを勝たせたい気持ちはだれにも負けないから付いてきてほしいと言った」。そう明かすと、「タイトルを取れたのはみんなの力があったからだと思う。その中でキャプテンマークを巻いて先頭を走ってきたから、このような素晴らしい賞をもらえたと思う」と胸を張った。

 現在は日本代表合宿中。前日4日の練習後にはMVPの可能性について聞かれ、「投票も最終節の前で終わっているし、ないんじゃないかなと思っている」と話していただけに、本人も驚きの受賞となった。

 小林が語ったように、J1の18クラブで今季リーグ戦17試合以上に出場している選手に投票資格が与えられた第33節終了時点での投票結果では、DF昌子源(鹿島)が最多の171票を獲得していた。FWでも小林は117票で、FW興梠慎三(浦和)の141票、FW杉本健勇(C大阪)の140票に次ぐ3番目。しかし、それ以上に最終節でのハットトリック、逆転優勝のインパクトは大きく、ベストイレブンの投票結果を参考にした選考委員会(村井満チェアマン、原博実副理事長、木下由美子理事ならびにJ1の18クラブ実行委員の計21名で構成)による投票で小林のMVP受賞が決定した。

 過去にも15年のMF青山敏弘(広島)、14年のMF遠藤保仁(G大阪)など、最多得票選手でなくても、その年の優勝クラブからMVPが選出された前例はあり、小林のMVPに異論はないだろう。「このような素晴らしい賞に恥じぬように、これからも向上心を持ってサッカーに取り組んでいきたい」。優勝、得点王、ベストイレブン、そしてMVP。タイトルを総なめにした小林は決意を新たにしていた。

(取材・文 西山紘平)

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