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最終節に帰ってきたエース…V逸の責任背負う清水ユースFW平墳迅「勝ちロコがしたい」

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負傷から帰ってきた清水ユースFW平墳迅(3年)

[12.10 高円宮杯プレミアリーグEAST第18節 清水ユース1-2柏U-18 J-STEP]

 勝てば優勝が決まるという一戦で、清水エスパルスユースのエースが待ちに待った帰還を遂げた。左膝の負傷で約1か月余りにわたって離脱していたFW平墳迅(3年)は、後半途中からピッチに立って同点弾に貢献。しかし、無念の敗戦で初優勝はならず、「自分が決められなかったのが敗因」と責任を一身に背負った。

 柏U-18戦の後半14分、来季のトップチーム昇格が決まっている平墳が満を持してピッチに帰ってきた。10月28日に行われたJユースカップ3回戦以来、約1か月余りのブランクを置いての復帰。それでも自慢のフィジカルと懐の深さを生かし、押し込みながらも迫力を欠いていた攻撃に勢いを加えた。

 それが結実したのは1点ビハインドで迎えた後半17分、ゴール前の混戦から左サイドに流れたボールを平墳が強引に拾い、シュート性のクロスを配給。齊藤のヘディングのこぼれ球に反応した鈴木が、立て続けのシュートでゴールに押し込んだ。平墳はこのシーンについて、「強引に突破するのが自分の持ち味なので」と涼しい顔で振り返ったが、負傷の影響を感じさせない迫力を見せつけた。

 ところが、チームは直後に再び失点をしてしまい、1-2で敗戦となった。準優勝に終わった昨季の日本クラブユース選手権に続いて、またしてもタイトルにあと一歩のところで手が届かなかった。「良さは全然出せなかった。シュートが決まらなかったので」。どうしても欲しかったゴールという結果を残すには至らなかった。

 平岡宏章監督は試合後、「昔の清水は勝負強さがあったが、今の清水にはそれが足りない」と選手たちに伝えたという。むろん、今年も残留争いに巻き込まれたトップチームの状況も踏まえての言葉だが、伝えたかったのはJ1最終節の神戸戦で同点弾を決めたアカデミー出身FW北川航也のことでもあった。

「今日の結果よりも、この経験を通して、チームを助けられるような選手になってほしいですね。J1残留を決めるゴールを決めたのも、ユース出身の北川でしたから」。同じポジションを担う平墳にとって、北川は目標の選手だ。「北川選手のように、怖い選手になりたい。チームを助けられる選手になるためには、一回の練習をどれだけ本気でやれるかが大事だと思います」(平墳)

 すでに2種登録選手として、ルヴァン杯でトップチームデビューは果たしているが、来季はそっちが本業。「早くJリーグでアイスタのピッチに立って、サポーターの皆さんと勝ちロコがしたい。決めるべきところで決められるように、結果にこだわっていきます」。悔しさを乗り越えた世代屈指のストライカーが名門クラブを浮上に導く。

(取材・文 竹内達也)
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