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指揮官からも賞賛の言葉…湘南の高卒ルーキーFW新井光「無我夢中でやれた」と手応え

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プレシーズンマッチで高いパフォーマンスを発揮した湘南FW新井光

[1.21 PSM 湘南2-0福島 BMWス]

 あまりに堂々とした高校3年生のプレーに対し、7シーズン目を迎える指揮官は名指しで賞賛の言葉を与えていた。湘南ベルマーレにとって2018年最初の実戦となった福島戦、市立長野高から加入したFW新井光は左シャドーの位置で先発。チーム最多タイとなる2本のシュートを放ったほか、的確なポジショニングとボールさばきで多くのチャンスに絡んだ。

「今までに見た高卒選手のなかで、この時期にしてはすごく良かったと思います」。チョウ・キジェ監督は試合後、実戦デビューとなった18歳をそのように称えた。この日は前半で45分間のチャンスを与えただけでなく、後半36分にはチーム唯一の“再起用”も敢行。J1昇格初年度のシーズンを前に、指揮官からの期待の高さを感じさせた。

 そんな期待に応えるかのように、気持ちは試合前から高ぶっていた。「このスタジアムでお客さんが入ったなかでやるのは初めてで、自分も『やってやろう』と思っていた。無我夢中で何も考えずにやれたと思います」。プレシーズンマッチながら2861人の観衆が見守る中での一戦、前半36分に果敢なカットインシュートを放った場面では、スタンドからひときわ大きな歓声が沸いていた。

 持ち味を出すことができた背景には、昨季からの積み重ねもあった。「去年から練習に参加させてもらっていたので、秋くん(MF秋野央樹)とか薫さん(MF高山薫)さんが自分の動きに合わせてくれている」と話したように、すでにチームの中心選手に特長を認識されている状態。「球離れや判断は日頃から言われていたので、練習の中で自然と(質が)上がっている」とチームに求められているものも把握できていたという。

 もっとも、開幕までは1か月余りが残されており、レギュラー争いはここからが本番。新井自身も「これに満足せず、もっと中心選手になれるように頑張りたい」と前を向いている。「今日は決め切れなかったし、ボールロストも何回かあった。それをゼロに近くしていって、攻撃のクオリティーを上げて行きたい」。22日から始まるスペインキャンプでも、さらなる成長を遂げる構えだ。

 すでに学業を離れてチームに合流しているため、「高校生という感じは抜けちゃいました」とほほえむ新井だが、選手権長野県予選で敗れた悔しさは忘れていない。「負けたチーム(上田西高)が全国ベスト4まで行って、自分たちが出ていればという悔しさがあった。悔しさがあったからこそ、いま全力でやれていると思うので、選手権という舞台はすごく刺激になったと思う」。最後の大舞台に悔いを残した18歳がプロの舞台で輝きを放とうとしている。

(取材・文 竹内達也)
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