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「シンプルに1+3で4というのと…」大久保嘉人が13番ではなく4番を選んだ理由

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2年ぶりに川崎Fに復帰したFW大久保嘉人は4番を背負う

 巨大なマトリョーシカ人形の中から姿を見せたFW大久保嘉人が付けていた背番号4のユニフォームに会場からもどよめきの声があがった。

 川崎フロンターレは21日、神奈川県川崎市のカルッツかわさきで新体制発表会見を行い、大久保ら新加入選手7人が出席。ロシアW杯イヤーにちなんでマトリョーシカをイメージした巨大な“大久保人形”が台車に乗ってステージに現れると、一つずつ人形を取っていき、最後は昨季所属したFC東京ユニフォーム姿の“大久保人形”から大久保本人が登場した。

 1年での“出戻り”となったが、その背番号は前回在籍時の13年から16年まで付けていた最も愛着のある13番ではなく、4番という「違和感しかない」初めての番号を選んだ。昨季、13番を付けていたMF三好康児は札幌に期限付き移籍したため空いていたが、「あいつもレンタルだから」と配慮。「シンプルに1+3で4というのと、井川とは同級生で、長年フロンターレで付けていた。そのあとを継ごうかなと」と、同じ35歳で昨季限りで川崎Fを退団し、イースタンSC(香港)に加入したDF井川祐輔に対する思いも明かした。

 川崎Fでは13年から15年まで3年連続得点王に輝くなどゴールを量産したが、チームのタイトルには届かなかった。昨季、FC東京に完全移籍すると、自身が抜けたチームはJ1リーグ初優勝を飾り、悲願の初タイトルを獲得した。「いいなあと思った」。いまだJリーグではチームタイトルに縁のない大久保はそう率直に語り、最終節後にMF中村憲剛が見せた涙には「俺も試合が終わってから映像を見て泣きそうになった」と、自分のことのようにうれしかった。

 1年での復帰には「批判されるでしょ」と認めつつ、「でも関係ない」と言い切る。昨季終了時点で歴代最多のJ1通算179ゴールを記録している大久保には前人未到の200ゴール到達の期待もかかる。「日本ではだれもいないし、大台だと思う。(歴史に)刻んでいきたい」と本人も意欲十分だ。

 何よりもチームとして全タイトルを取ること。新体制発表会見では「自分もタイトルを取りたい」と冗談交じりに語り、場内の笑いも誘った。「去年も3冠、4冠取れるところまでいったけど、それを逃している。今年はそれをすべて取れば、もう何も言われないでしょ」。Jリーグ連覇、さらにはルヴァン杯、ACL、天皇杯とタイトルを総なめにするために、2年ぶりに戻ってきた古巣で再びゴールを量産していく。

(取材・文 西山紘平)

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