[5.2 J1第12節 川崎F0-2浦和 等々力]

　試合前に指揮官から檄が飛んだ。すると、オズワルド・オリヴェイラ監督就任後2連敗を喫していた浦和レッズは、川崎Fを2-0で下して新体制初白星を獲得した。MF宇賀神友弥は「モチベーションを上げるために大きな声で、試合前はすごい」と、チームを締めた指揮官の檄の内容を明かした。

　前半15分に浦和が試合を動かす。左サイドの宇賀神が中央にボールを送ると、FW興梠慎三がスルーしてMF長澤和輝へと渡る。左に持ち出した長澤のスルーパスからサイドを駆け上がった宇賀神が送ったクロスは、相手選手に当たってコースが変わりながらも、ゴール前に走り込んだ興梠が左足ボレーでゴールを陥れた。

「コケていたので最後ゴールが決まったのは見ていない。けど、左サイドですごく良いリズムを作れていたし、あの時間帯も出して動く、出して動くというのは続けていた」。さらに後半9分にはMF橋岡大樹のスルーパスで最終ライン裏を突いたFWアンドリュー・ナバウトの折り返しを興梠が押し込み、2-0の完封勝利を収めた。

　この試合では守備に回った際の激しさが目立ち、相手に体を寄せて自由を奪い、時にはファウルを取られる場面もあった。しかし、これこそがオリヴェイラ監督の檄の効果だと、宇賀神は語る。

「監督が来日してからの3試合で、イエローカードが1枚もないのはどういうことだと言われた。もちろん、相手を削れということではなく、それくらい球際で相手に対して強く行けと、試合前に言われていたので、それは皆が実行できたと思う」。指揮官の言葉をピッチ上で体現した結果、ついてきたのが新体制初白星となった。

(取材・文　折戸岳彦)

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