beacon

歴史的成績で『1/3』を終えた広島だが…過去13シーズンの独走V、逆転Vを調べてみた

このエントリーをはてなブックマークに追加

首位を独走中のサンフレッチェ広島

 ロシアW杯に中断期間を設定するため、例年以上に過密な日程を強いられている今季のJ1リーグ。2月下旬の開幕から約2か月あまりが経過したが、すでにシーズンの3分の1にあたる第12節を終えている。

 現在の順位表を見ると、昨季は残留争いの渦中にあったサンフレッチェ広島が10勝1分1敗という歴史的な強さで首位を独走中。さらに、2位のFC東京とは勝ち点8差、3位のコンサドーレ札幌とは3試合分にあたる9差がついている。

 だが、まだ22試合を残しているのも事実。3分の1を終えた時点で首位だった『1/3王者』のチームはどんなシーズンの結末を迎えるのだろうか。現行18チーム制になった2005年以降、『1/3王者』にまつわる13年間のデータを調べてみた。

 なお、2ステージ制で行われた15~16年は年間勝ち点による最終順位に着目。東日本大震災が発生した11年など、各チームの試合進行にバラツキが生じたシーズンは、12試合終了時点の成績で独自に順位を集計した。

■どれほどのチームが首位を守り続けたのか?

 『1/3王者』がJ1リーグを制した例は、09年の鹿島アントラーズ、11年の柏レイソルの2回しかない。3分の1時点で2~3位チームが優勝した例は6回あり、上位争いの中で首位を守り抜くのは簡単ではなさそうだ。

 一方で独走を守り抜くことの難しさも表れた。05年の鹿島は12節終了時点で2位と9差をつけていたが、勝ち点10差の3位だったガンバ大阪の逆転優勝を許した。前述した09年の鹿島は2位と勝ち点5差の独走だったが、11年の柏は1差の僅差から制していた。

 また、『1/3王者』の栄誉を獲得しておきながら、失速したチームもあった。13年の大宮アルディージャは14位、17年のガンバ大阪は10位でフィニッシュ。大宮は3分の1時点で2位と勝ち点5差をつけていたが、独走からの大転落となった。

■どの順位であれば逆転優勝が可能か?

 3分の1終了時点で4位以下だったチームが、シーズン優勝を果たした年は5回あった。中でも目を引くのが14年のG大阪だ。第12節を終えた時点での勝ち点はわずか12、降格圏に迫る15位。だが、そこから快進撃を見せ、『1/3王者』鳥栖との勝ち点12差を一気に抜き去ると、2位だった浦和を終盤に振り切った。

 また、07年の鹿島も10位(勝ち点17)からの逆転優勝。2年前に苦杯をなめたG大阪との『8』差をひっくり返した。なお、鹿島は07~09年にかけて3連覇を果たしているが、07年は10位、08年は6位からの逆転優勝で、09年にようやく『1/3王者』からのシーズン優勝に至った。

■では、今季は……?

 ここまでのデータを整理すると、『1/3王者』がシーズンを制することは珍しく、大きく転落するケースもあることが分かった。また、優勝するチームは2~3位につけている場合が多く、時には2桁順位からの逆転優勝も起こっているようだ。

 すなわち、現在の広島が安泰であるとは言いがたく、まだまだ逆転が起こりうる。勝ち点10差の4位川崎フロンターレまでは現実的な可能性があり、14年レベルの大逆転が起きれば5位セレッソ大阪(勝ち点差11)、6位ジュビロ磐田(同13)あたりにも望みはありそうだ。

 ちなみに、広島はこの13年間、最多タイにあたる3度にわたってJ1リーグを制しているが、3分の1終了時点の順位は12年2位、13年5位、15年3位。いずれも上位にはつけているが、独走スタートを経験したことはない。華々しいスタートを切った今季の『1/3王者』にとって、これまでとは異なる真価が問われることになりそうだ。

以下、過去の『1/3王者』と最終順位

05年:鹿島アントラーズ(3位)/優勝:ガンバ大阪(『1/3王者』と勝ち点10差)
06年:ガンバ大阪(3位)/優勝:浦和レッズ(同3差)
07年:ガンバ大阪(3位)/優勝:鹿島アントラーズ(同10差)
08年:浦和レッズ(7位)/優勝:鹿島アントラーズ(同8差)
09年:鹿島アントラーズ(優勝)☆
10年:清水エスパルス(6位)/優勝:名古屋グランパス(同3差)
11年:柏レイソル(優勝)
12年:ベガルタ仙台(2位)/優勝:サンフレッチェ広島(同5差)
13年:大宮アルディージャ(14位)/優勝:サンフレッチェ広島(同9差)
14年:サガン鳥栖(5位)/優勝:ガンバ大阪(同12差)
15年:浦和レッズ(2位)/優勝:サンフレッチェ広島(同6差)
16年:川崎フロンターレ(3位)/首位:浦和レッズ(勝ち点差なし)
17年:ガンバ大阪(10位)/優勝:川崎フロンターレ(同3差)

★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2018シーズンJリーグ特集ページ

TOP