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被シュート25本も無失点、耐えがたきに耐えた鳥栖GK権田「走っていないぶん…」

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シュート25本に襲われながらも無失点に抑えた鳥栖GK権田修一

[8.15 J1第22節 川崎F0-0鳥栖 等々力]

 川崎フロンターレのシュートは25本を数えたが、スコアボードの数字は最後まで動かず。圧倒的劣勢となった鳥栖ゴール前にはことごとくサガン鳥栖GK権田修一が立ちはだかり、まさに“耐えがたきに耐えた”と言えるパフォーマンスだった。そんな守護神だが、試合後の取材ではチームメートへの感謝を何度も口にし、あくまでも自身の役割をこなしただけだと強調した。

「フロンターレはチャンピオンですし、強い相手だというのは誰もが分かっていて、少しリスペクトしすぎたというのはありましたが、攻められてシュートが来るのは想定していた。とはいえ、25本くらい打たれて、枠にそこまで来ていないのは、みんなが守ってくれたから。そこにみんなの頑張りを感じた」(権田)。

 前半27分、FW小林悠の股下シュートを防いだのを皮切りに、軽く見積もっても3度以上のビッグセーブを披露。最後のFKも難なくパンチングで防いでみせ、ほとんど味方がチャンスをつくれない中、敵地での勝ち点1に大きく貢献した。だが、守護神にとっては“当たり前”の仕事。そう思うのは、ハードワークを是とするチームメートの日常を目の当たりにしているからだ。

「持ちつ持たれつですよね。僕は十何キロ走っているわけじゃないし、クオリティー高い選手が来ましたが、ウチはもともとみんなが頑張って走るチーム。川崎みたいに代表に入れる選手がいるわけじゃないけど、全員が自分の全力を出すチーム。僕ができないところをみんなが走ってやってくれているし、ゴールを止めるのは僕がやらないと、走っていないぶん申し訳が立たない」

 これで3試合連続でクリーンシートが続き、3試合で勝ち点『7』を積み上げることに成功。順位は降格可能性があるプレーオフ圏内から脱出し、15位に浮上した。「勝ち点1で喜んでいる場合じゃないし、相手どうこうじゃなくて自分たちが勝ち点3を積まないといけない。次は(残留を争う)名古屋戦なので、また良い準備をしていきたい」。チームは上昇の兆しを見せているが、決して満足しない守護神はさらなる高みを見据えていた。

(取材・文 竹内達也)
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