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横浜FMが直面するジレンマ「その分、攻撃の迫力が…」

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横浜FMは急造3バックが奮闘したが…

[8.19 J1第23節 鹿島1-0横浜FM カシマ]

 クラブ史上初の降格危機に直面する名門クラブがジレンマに陥っている。横浜F・マリノスは前節の名古屋戦(1-2)に続いて3バックを採用。守備では1失点と、大量失点が続いていたリーグ再開直後に比べれば安定感が出てきたが、この日は攻撃が空転した。

 前半に至っては45分間でシュートゼロ。MF扇原貴宏は「前半、ボールは持っているけど、シュートまでいけなかった。やり切れていない攻撃が続いている。シュートで終わる形を作らないといけない」と首を振った。

 この日はDF中澤佑二が6年ぶりのベンチ外となり、J1連続出場記録が199試合、連続フル出場記録は178試合でいずれもストップした。アンジェ・ポステコグルー監督は「新加入のチアゴが入って、(中澤を)休ませる狙いがあった」と説明。JリーグデビューとなるDFチアゴ・マルチンス、同じく今夏に加入したDFドゥシャン、今季先発2試合目のDF栗原勇蔵が3バックを形成した。

 急造の最終ラインだったが、栗原は「(ピッチの)中ではコミュニケーションを取りつつ、うまくやったつもり。結果的には負けたけど、大きな問題はなかった。やれるという手応えはあった」と力説。唯一の失点シーンは鹿島のロングフィードに栗原がFW鈴木優磨に競り勝ちながら、こぼれ球をMF遠藤康に拾われた。崩されたわけではなかっただけに悔やまれる形だった。

「守備は安定しているけど、攻撃に問題があるのかな」と栗原が指摘するように、最近5試合で得点はわずかに3。特に3バックに変更してからは「サイドでの突破が4バックではあったけど、それが今は半減している。攻撃の迫力が欠けちゃっているのかな」と、率直に感じている部分もある。

 扇原も「守備ではカウンターを受けても後ろに人数がいるので守れる感覚があるけど、その分、攻撃のときの迫力が前よりなくなっている。守備は良くなっているけど、攻撃の良さが消えている。そこを改善できれば」と、同じ課題を口にした。

 名古屋が勝ったため、順位は一つ落として15位。消化試合が1試合少ないとはいえ、プレーオフに回る16位と勝ち点1差、自動降格の17位、18位とも勝ち点2差しかない。FW伊藤翔は「僕らは勝たないと、あとがない状況になっている。選手がもうひと踏ん張りしないと」と危機感を募らせた。

(取材・文 西山紘平)

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