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明大同期の姿に焦りも…福岡FW木戸皓貴「情報を入れたくない時期もあった」

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ボールキープするアビスパ福岡FW木戸皓貴

[9.16 J2第33節 千葉3-3福岡 フクアリ]

 後半20分にピッチに送り込まれた。最前線に入ったアビスパ福岡FW木戸皓貴の前に立ちはだかろうとしたのが、苦楽をともにしてきた“元同僚”だった。

 今季、明治大から福岡に加入した木戸。時を同じくして、4人もの仲間がプロの世界へと飛び込んだ。MF柴戸海が浦和へ、DF山崎浩介が愛媛へ、MF土居柊太が町田へ、そして、この日対峙することになったDF鳥海晃司が千葉へ加入し、プロサッカー選手としての人生を歩み始めていた。

 ピッチに立った木戸は当然、「同期なので、負けたくない気持ちが一番あったし、マッチアップしても絶対に負けてはいけない相手。いつも以上に気持ちは入った」と鳥海を意識。しかし、4年間をともに歩んできた2人だったが、プロ選手としての経験値には少々差が出ていた。シーズン途中からスタメンの座を奪い取った鳥海が20試合(1588分)の出場に対し、スターティングメンバーに名を連ねたことのない木戸の出場は9試合(99分)だった。

「トリ(鳥海)はスタメンでプレーしている選手なので、経験値という部分ではトリの方が上だと思う。僕が入ったときはビハインドの状況だったし、チャレンジャーの気持ちで、チャレンジする気持ちで入った」

「4年間一緒にやってきたので、いろんなことは知っている」と隙あらば“元同僚”のウィークポイントと考える部分を突いてゴールに向かおうとしたが、「思うように受けられなかった」となかなかボールを呼び込めずにシュートはゼロに終わった。

 鳥海だけでなく、カテゴリーが上のJ1でプレーする柴戸、さらに出場機会をつかむ山崎(24試合(2014分)出場)や土居(12試合(747分)出場)の姿に刺激を受ける一方で、悔しい思いもしてきたという。

「僕以外の選手はずっと試合に出ていて結果も残していたので、焦りもあった。うれしい気持ちも当然あったけど、皆の結果を見ていると、『自分は何をやっているんだろう』という気持ちも強くなったし、一切情報を入れたくない時期もあったくらいだった」

 プロの世界で経験を積む“元同僚”の姿を見て、焦る時期もあった。しかし、ここで「一番はチームが勝つこと。チームのために練習からしっかりやっていこうと考えた」と足元を見つめた。まずはチームの勝利が第一。その中で自分には何ができるのか――。周囲を気にするのではなく、「今やるべきことをしっかりやろう」と自分自身と向き合う中で、「最初の頃に比べたら、葛藤する気持ちは自分の中で抑えられるようになってきた」ようだ。

 積み重ねてきたものはある。そして、少ないながらも「チャンスももらえている」からこそ、あとは結果がほしいところだ。「ポジション的にはゴールという結果でアピールしないといけない。そこを追及して練習していくし、リーグ戦も終盤に入るのでチームの勝利のために全力を尽くしていきたい」とシーズン終盤戦で自身の存在価値を証明しようと闘志を燃やす。

(取材・文 折戸岳彦)
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