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悔やまれるワンプレー…ルーキーイヤーで進化続ける千葉DF鳥海晃司

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[9.23 J2第34節 千葉0-1横浜FC フクアリ]

 ピンチになると必ずと言っていいほど姿を現し、チームの危機を救っていた。しかし、ジェフユナイテッド千葉DF鳥海晃司は後半16分に一瞬の隙を突かれてしまう――。

「そんなに前に強いタイプではないので、どちらかというと、味方が崩されたところをさっとカバーできるようなプレーが得意」。その言葉通り、試合の流れを読んでポジショニングを細かく変え、チームが危機に陥りそうになると素早いカバーで相手攻撃を寸断。FWイバとFWレアンドロ・ドミンゲスの強力2トップからも自由を奪い取り、ゴール前の防波堤の役割を果たしていた。だが、スコアレスのまま進んだ後半16分に決勝点を献上してしまう。

 左サイドからPA内へと送られたスローイン。ニアサイドに走り込んだMFレアンドロ・ドミンゲスのマークについていた鳥海だったが、「予測はしていたけど、フリックしてくるとは思わなかった。先に触れられてしまったという感じだった」とL・ドミンゲスに巧みなワンタッチでゴール前に供給されると、その流れからMF齋藤功佑にネットを揺らされてしまった。

 それまでも、その後も、出色の出来という守備を見せていただけに、悔やんでも悔やみ切れないプレーとなった。

 今季、明治大から千葉に加入すると、開幕戦で予期せぬデビューを飾った。試合開始早々の前半9分にDF増嶋竜也が一発退場となり、同12分にピッチへと送り込まれた。デビューこそ「急な形だった」ものの、その後もコンスタントに出場機会を得ると、第26節以降は9試合連続でスターティングメンバーに名を連ねるなど、レギュラーの座を奪い取った。

 プロ1年目でのレギュラー奪取。「試合に絡まないといけないと思っていたけど、想像はしていなかった」という現在の状況だが、経験を積み重ねることで、さらに成長させなければいけない部分も感じている。「若いからとは言えない。ドゥーさん(DF近藤直也)を見ていても、リーダーシップを発揮しないといけないポジションだと感じているし、試合中に味方をもっと動かさないといけない。フィジカル的にもスピード面ももっともっと上げていきたい」。

 この日の敗戦により、プレーオフ圏内となる6位福岡(勝ち点57)との勝ち点差は15まで開き、プレーオフ出場は厳しい状況になったと言わざるを得ない。だが、「誰も諦めていない」と前を向いた若武者は、「上を目指しながら成長していきたい」と残されたシーズンでのさらなる進化を目指している。

(取材・文 折戸岳彦)
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