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封印していた言葉…「すべてを捧げたい」千葉MF佐藤勇人が覚悟の宣言

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ジェフユナイテッド千葉MF佐藤勇人

[2.17 ちばぎんカップ 柏2-2(PK5-6)千葉 三協F柏]

 プロ生活20年目を迎えた。ジェフユナイテッド千葉の下部組織から育ったMF佐藤勇人は、キャリアの大半にあたる18年を同チームで過ごすことになった。年齢を重ね、サッカー選手としてはベテランと呼ばれる36歳となった男は、覚悟を持って新たなシーズンに臨もうとしている。

 プロ1年目にリーグデビューを果たし、3年目に13試合に出場すると、着実に出場機会を増やしてきた。しかし、ここ数年はピッチに立つ機会を減らし、昨季は3年目以降では最少となる7試合(430分)の出場にとどまったこともあり、シーズン終了後には「スパイクを脱ぐことも考えた」という。

「いろいろなことを考えた。自分がジェフというクラブに対して、選手で居続けることが良いのか、それとも選手から離れて違う立場から見た方が良いのか。そこで、葛藤した部分もかなりあった」

 だが、「クラブが必要としてくれた」だけでなく、「寿人が戻ってくるかもという話もあったし、いろいろなことが重なった」ことで、今季も背番号7のユニフォームを着ることを決断。双子の弟・寿人はちばぎんカップでベンチ外となったこともあり、「苦労したスタートを切っている」と勇人も認めるが、「彼の人間性は間違いなく練習やロッカーの雰囲気を作ってくれているし、自分がすべてやらなくてもいいように気を使ってサポートしてくれている」と間違いなくチームに大きなプラスをもたらしている。

 そして、かつて巻いていたキャプテンマークを今季から再び託されることになる。昨季はピッチ上で貢献する試合が限られたことで、「その次の年に自分がキャプテンをやる意味を、自分の中でも、ものすごく考えた」と振り返るが、チームの先頭に立つ覚悟を決めた。「監督と選手が協力してチームを作っていくチーム作りを自分が間に入ってやっていきたい」と、3年目の指揮を執るフアン・エスナイデル監督と選手の架け橋になるだけでなく、経験豊富な寿人ともディスカッションを行い、チームが少しでも良い方向に向かうようにピッチ外でも努力を重ねている。

 自身が京都から復帰した直後には「昇格」や「優勝」という言葉を口にしていたが、「ジェフはJ1にいないといけないクラブ」、「J1に戻らなければいけない」と自身が発信することで、「過信ではないけど、足元が見えていないとか、地に足がついていない部分があったと思う」と、ここ数年はあえて「優勝」の二文字を口にすることはなかった。しかし、「すべてを捧げたい」と覚悟を決めたシーズン開幕前、勇人は「今年は優勝を狙う」と言い切った。

 プロ生活20年目のシーズンで「すべてを出し切る」と決意した男の、そして勇人が先頭に立つチームの、新たな戦いが幕を開けようとしている。

(取材・文 折戸岳彦)

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