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横浜FM松原、“自主練”シュートは無情にも…「満足するだけだとそれまでの選手」

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今季初出場を果たした横浜F・マリノスDF松原健

[3.29 J1第5節 横浜FM0-0鳥栖 日産ス]

 開幕前にレギュラーを奪われ、最初の出番が近づいた矢先に負傷離脱。1か月の出遅れ期間を経た横浜F・マリノスDF松原健がようやく今季初出場を果たした。「ポジティブには捉えているが、満足するだけだとそれまでの選手になってしまう」。これが単なるスタート地点。安堵の思いはないようだ。

 2月23日のJ1開幕節、松原の立場は控え選手。昨季まで守った右サイドバックのポジションにはJ2から移籍してきたDF広瀬陸斗が抜擢された。もちろん、これでレギュラー争いが終わったわけではない。しかしルヴァン杯開幕節を直後に控えた3月4日、今度は右腸腰筋肉離れで全治3週間と診断され、ここでも初出場の機会を逃した。

 結局、初めてピッチに立ったのは開幕して1か月以上が経過したJ1第5節。「みんなと少し遅れてやっと開幕できて、このユニフォームを着て試合に出られるのは本当に幸せなこと。サポーターの皆さんに応援歌をたくさん歌ってもらって、やっぱりこのチームが好きだなと思った」。1か月分の思いを込め、日産スタジアムのフィールドを駆け抜けた。

 大きな見せ場は0-0の後半28分に訪れた。「せっかくサイドバックが高い位置を取れる戦術なので、FWだけが得点源じゃなくてSBも得点源になれると思う。誰でも点を取れる位置にいるというのが僕らのフォーメーションの強み」。そんな言葉どおり、左サイドからの崩しに反応し、ゴール前で切り返して左足を振り抜いた。

 ところが、ボールは無情にもクロスバー直撃。「練習終わりに自主練でやっていたのでイメージはできていたけど、枠に飛ばさないと可能性がなくなってしまう。最後の落ち着きというか、冷静にできたら良かった」。パスへの入り方は練習どおりであっただけに「そこで満足せずにしっかり形にしないといけない」と悔しさが募った。

 試合はスコアレスのままタイムアップ。「もっと僕たちだったらうまく攻撃できたと思うし、もっともっと自分たちならできると思っている」。そう語った26歳は自らの得点シーンにも言及。「応援してくれる皆さんのためにも勝ち点3が欲しかったし、自分で決められるシーンがいくつかあったので悔しい」と届かなかった1点の責任を背負った。

「スタメンを奪われた形から試合に出るためには、今年は結果がすごく重要になる」と語ったように、自身の立場への危機感は隠さない。この日はポジションを争う広瀬が左サイドバックに回ったことで得られたポジション。左にもタイ代表DFティーラトンが控えているため、1試合出ただけで安泰とはほど遠い状況だ。

 ならば、さらにパフォーマンスを上げていくのみ。奇しくも次節の相手は、昨季まで両サイドバックを務めていたDF山中亮輔が所属する浦和レッズ。「僕たちのウィークポイントも分かっているし、去年はアイツが攻撃の起点になっていた。負けないようにします」。実力が分かっているだけに、マッチアップで上回れば絶好のアピールになるはずだ。

(取材・文 竹内達也)
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