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「わがままで一度このクラブを離れて…」寿人が千葉で18年ぶり弾

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ジェフユナイテッド千葉FW佐藤寿人

[4.3 J2第7節 千葉1-0琉球 フクアリ]

 ファン・サポーター、そしてチームの誰もが待ち望んでいたゴールだったかもしれない。今季、18年ぶりにジェフユナイテッド千葉に復帰したFW佐藤寿人は、初先発となった琉球戦で自身の存在価値を証明する決勝点を奪い、チームに勝利をもたらした。

 前半34分だった。後方から送られたボールをヘディングで落とすと、ボールを拾ったMF堀米勇輝がタメを作ってPA左へ浮き球のパスを送る。左サイドからフリーで駆け上がったMF下平匠が折り返すと、そこに誰よりも早く飛び込んだのが佐藤寿だった。体を投げ出すように滑り込んで左足で合わせると、ボールはネットを揺らして値千金の先制点が生まれた。

「匠は自分でも打てたと思うけど出してくれた。ゴールのイメージが彼の頭の中にもあったと思うので、仲間全員で取ったゴール」

 千葉のユニフォームを着てのゴールは01年3月31日のJ1リーグ1stステージ第3節柏戦以来、フクダ電子アリーナでは初ゴールとなり、「対戦相手としてロッカーもずっとアウェー側だったので、本当にうれしい」と喜びを爆発させた。そして、「トレーニングから彼がしっかりパフォーマンスを出してくれていたので使おうと思った」と先発に抜擢した江尻篤彦監督は、「彼がああいう形で点を取る姿をユースや広島のときから見ているので良い形で取れたと思うし、彼からしてみれば当たり前じゃないかなと思う」と賛辞を惜しまなかった。

 開幕から苦しい時期が続いた。前任となるフアン・エスナイデル体制ではベンチ入りすることすらできず。指揮官が代わって江尻氏が監督に就任すると、第5節京都戦で初のベンチ入り、そして第6節福岡戦の後半24分から初出場を果たした。「個人的にも苦しい時期が続いていた」ものの、ようやくつかんだ先発出場でゴールという結果を残し、「ようやく開幕したかなという実感がある」と充実した表情を浮かべた。

「自分のわがままで一度このクラブを離れて、他のクラブでプレーして、時には対戦相手としてゴールを奪う役割もしたけど、また今年から仲間として戦えるのは楽しみにしていたし、やっとスタートラインに立てたと思う。僕はこのクラブ、関わる多くの方々に育てて頂いて今があると思っているので、恩返しを一つでも多くしていきたい」

 千葉をJ1に復帰させるために18年ぶりに戻ってきたストライカーは、今後もチームに勝利をもたらすゴールを奪って恩返しをしていく。

(取材・文 折戸岳彦)

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