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周作さんに憧れて…A代表初選出の広島GK大迫敬介、西川のプレーを見て学ぶ19歳

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浦和レッズGK西川周作(左)とサンフレッチェ広島GK大迫敬介

[5.26 J1第13節 浦和0-4広島 埼玉]

 ずっとテレビで見ていた。そんな憧れの選手と同じピッチに立った――。

 先日発表されたA代表に初選出されたサンフレッチェ広島GK大迫敬介。広島の下部組織で育った19歳にとって、10年から13年まで広島に在籍してリーグタイトルをもたらした浦和レッズGK西川周作は、「僕自身、広島に入った理由の一つが周作さんで、ずっとテレビで見ていた憧れの選手」という特別な存在だった。そんな存在と同じピッチに立つことになり、大迫は西川に一つのお願いをしていたようだ。

「前もって、同じピッチに立てたらユニフォーム交換をしてほしいと伝えていて、快くOKしてもらえていたので、今日は何としても勝ってユニフォーム交換をしたいと思っていた」

 そして迎えたキックオフ。前半開始早々の危機をポストに救われると、その後は浦和に決定機らしい決定機を作らせず。「中を閉じて外からクロスを上げさせる形に持っていけた」とハイボールには186センチの長身を生かして競り勝ち、後半11分には最終ライン裏に落とされたボールに対してPA外まで飛び出してクリアするなど、ゴールを守り抜く。

 そして後半7分には、憧れの存在である西川ばりの鋭いフィードで好機を生み出した。ボールをキャッチすると、すぐさま視線を前へと向け、「森島選手とは裏を狙うというコミュニケーションが取れていたし、試合中にずっと狙っていた」と右サイドのMF森島司へと高精度のフィードを届けた。右サイドを突破した森島のシュートは西川に阻まれたものの、「隙があれば狙っている。ビルドアップの部分もそうだけど、一つのキックでチャンスを作るのは周作さんから学んでいること」と西川のプレーを見て、学んだ成果を披露した。

 このボールを逆サイドから見つめていた西川は、「精度が高いし、隙があれば攻撃参加してくるので、気の抜けないGK。彼が持ったら何かが起こると感じた。相手GKの僕からして、守りにくいボールを蹴れる」とフィード面を評価するだけでなく、「試合をコントロールする能力、落ち着かせるところと早くプレーするところがあるし、これからが本当に楽しみな選手」とGKとしての能力の高さに太鼓判を押した。

 試合は4-0で広島が完封勝利を収め、連敗を5でストップさせた。西川と約束どおりユニフォーム交換した男は、「チームとしてもなかなか勝てない状況での代表選出だった。勝って良い状態で自信をつけて代表に行きたい気持ちがあったので、悪い流れを断ち切れた」と、次節札幌戦を経て、キリンチャレンジカップ、そしてコパ・アメリカを戦う日本代表に合流する。

(取材・文 折戸岳彦)
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