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“今日限り”の松本戦法、反町監督は手応えも「だからこそ勝ち点を…」

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松本山雅FC反町康治監督

[6.22 J1第16節 横浜FM1-0松本 日産ス]

 入念に準備してきた横浜F・マリノス対策はわずかに及ばなかった。松本山雅FC反町康治監督は試合後、「勝ち点3、もしくは1を取れなかったゲームだったが、われわれらしさは出せた。現在地で持っている力は出し切った。だからこそ勝ち点を持ち帰りたかった」と複雑な心境を述べた。

 決まってもおかしくない決定機は少なく見積もっても3回。試合開始直後にフリーで抜け出したFW山本大貴がボレーで狙った場面、前半26分に相手のクリアミスを拾ったMF宮阪政樹のシュートがクロスバーに直撃した場面、そして失点直後の後半37分に宮坂のクロスからMF田中隼磨が大外から反応した場面が挙げられる。

 だが、いずれのシュートもスコアを動かすには至らなかった。そこは反町監督も「足りないのは得点力不足のところとか、奪ったボールがため息で終わってしまうという視野の狭さとか、サッカーフィーリングの部分とか。ただJ2から上がって人員的に足りないチームなので、高く求めても仕方がない」と素直に受け止める。

 またそうした劣勢は予見できていたからこそ、準備は万全にしてきた。最終ラインのまとめ役を担ったDF飯田真輝は「今日に限って言えば、あまりいろいろ言えない。今日の試合のためだけにいろいろしたので、それを修正して次に繋げられるかはあまり分からない」と述べ、「今日はいつもと違うことをやったので」と“今日限り”の戦い方だったことを明かした。

 松本がこの一戦で採用したフォーメーションは普段の3-4-2-1とは異なる3-5-2。横浜FMの前節清水戦だけでなく、第4節で3-5-2のシステムを採用して横浜FMを撃破した大分トリニータの映像まで確認するなど、シーズンを戦う上でのルーティーンを崩して横浜FM対策を行っていたようだ。

 実際、2トップと3センターで横浜FMのポゼッションを寸断し、ただ引きこもるだけの守備戦術ではないことは試合の随所から感じられた。反町監督も「引き込んでハーフコートでやるというふうにはしたくなかった。そのためにも向こうのウィークを狙おうと準備してきました。いまの持てる力は90分間に凝縮して出せた」と前向きに振り返った。

 力が及ばなかったのも事実。ただ、狙いとした戦いができていたのもまた事実。「下から上がったところを踏まえるとトップ15に入ることが目標。これからも精進しないといけない。足りない部分はあるにしても、何とか這い上がる松本魂を出していきたい」(反町監督)。昇格組から残留を狙う松本は、チーム力を高める努力を続けつつ、戦術面でその差を埋めていく姿勢をこの先も続けていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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