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ありがとう法政大サッカー部、ありがとう大学サッカー…鹿島加入のFW上田綺世「一番大事な2年半になった」

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鹿島アントラーズに加入する法政大FW上田綺世

 プロになるという一つの夢を叶えた。今季から鹿島アントラーズへの加入が発表された法政大FW上田綺世は感謝を示す。「今、こういう立場になれているのも、法政の選手と切磋琢磨した2年半があったからだと思っている」と――。

 中学時代は鹿島の下部組織である鹿島アントラーズノルテに在籍した上田だったが、ユース昇格は叶わなかった。その後、鹿島学園高を経て、法政大に進学すると、1年次の総理大臣杯決勝で決勝ゴールを奪い、35年ぶりの同大会制覇へと導いた。さらに2年次には42年ぶりの全日本大学サッカー選手権(インカレ)制覇に貢献するなど、法政大での存在感を高めていった。

 それは17年の年末にデビューした東京五輪代表でも変わらなかった。森保一監督が就任したばかりの17年12月にU-20日本代表に初選出を果たすと、五輪代表にコンスタントに招集され、約1年半の活動の中で14得点を奪って同代表得点王(19年7月時点)となっている。大学の活躍が認められ、五輪代表へ選出された。そして、五輪代表での活躍が認められたことで、今年6月にはコパ・アメリカを戦うA代表に初選出されるなど、着実なステップアップを果たしてきた。

 今、このような状況にいられるのも法政大サッカー部に在籍していたからこそ、そして大学サッカーがあったからこそだと実感している。

「この2年半が僕にとって大事な2年半。今まで16年間サッカーをやってきた中で一番大事な2年半になったし、一番濃い時間だったと思う。そこで出会った仲間、法政の選手が僕にとってすごく大きな存在で、刺激を常にもらえた。その刺激が僕を成長させてくれた」

 五輪代表の活動があるたび、上田は「僕は大学サッカーの代表」であることを強調してきた。「大学生なので、プロに負けたくない気持ちもある。大学生もプロに負けないぞというところは、プロと一緒にやる機会でしか証明できない部分でもあると思うので、僕が活躍していくことが、大学サッカーを盛り上げることにつながる」。その言葉どおり、大学生としての誇りを持ち、五輪代表ではプロにも負けない活躍を披露し続けてきた。

 21年の加入内定が発表されていた鹿島に、前倒しでの加入が決まった。大学サッカーを卒業し(大学には在学)、今後はJリーグ、プロの世界を舞台に戦うことになる。「日の目を浴びさせてくれ、こういう状況になれたのは法政の選手の活躍だったり、僕の活躍を支えてくれた選手がいたから。この大学サッカーという環境が今の僕を作ったのは間違いない」と2年半で大きな成長を遂げさせてくれた“舞台”に感謝を示すと、「僕はプロになるけど、大学サッカーを広めていけるような存在になっていければと思うし、大学サッカーを背負っていければいい」との決意を胸にプロの世界へと飛び込んでいく。

(取材・文 折戸岳彦)
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