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J1昇格に52歳カズ感慨…初めて感じた緊張も「この瞬間を信じてずっと」

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下平隆宏監督と肩を組むFW三浦知良

[11.24 J2第42節 横浜FC2-0愛媛 ニッパツ]

 52歳の最年長Jリーガーがピッチ上で歓喜を噛み締めた。後半42分にFW三浦知良が投入されると、1万2937人の観客が沸き立った。横浜FCは最終節を勝利で飾り、07年以来、13年ぶりのJ1昇格を決めた。セレモニーを終え、取材陣に対応したカズは「この瞬間を信じてずっとやってきました」と感慨深げに言った。

「ホームでたくさんのサポーターの前で最高の形で昇格することができた。みんなとその輪に加われたのは本当に誇りに思いますし、光栄に思います。感動しました」

 最後の交代枠でピッチに立ち、最年長出場記録を52歳8か月29日に更新。下平隆宏監督が「三ツ沢の最高の舞台で、完全な状況が揃った中でしっかり勝って、カズさんが出て、J1昇格を決められたのは出来すぎたストーリー」と表現する、最高の締めくくりだった。

 プレーオフの難しさを2度味わってきた。2位と3位の違いを、痛いほど知っている。「3位はなんの意味もないと味わいましたし、このチャンスを逃したら絶対にいけないという緊張があった」。経験があるからこそ、2位確定をかけた一戦に大きなプレッシャーを感じたことを明かした。

「これだけ経験を積んできて、皆さんはきっと僕は緊張とかしないんだろうなと思ってるかもしれないですけど、今日は試合前から緊張しましたね。いつも緊張はするんですが、ベンチに座っていても緊張している状態になったのは初めてでしたね」

 この日が6試合ぶりのベンチ入り。リーグ戦の出場は今季3試合目だった。ベンチ外だった試合も多く、「試合に出られないのは選手にとって一番辛いことですから」と悔しさも口にした。それでも日々モチベーションを燃やし続け、J1復帰に向けて最前線を走ってきた。

「僕自身は変わらず同じことを繰り返しやっているだけですからね。本当に毎日、うまくなりたいと思ってやってます。うまくなるんじゃないかと思っている。信じてもらえないかもしれないですが、僕は本当にそういう気持ちでやっていて、何でもこだわってやってるし、分からないことがあったら若手にも聞きます。コーチ陣も僕より若いですけど相談する」

 下を向くことなく、長年変わらない貪欲な姿勢で若手と切磋琢磨し、掴み取ったJ1昇格。来シーズンについては「言えることはない」と言及を避けたが、53歳でJ1の舞台に立つために、12月上旬から毎年恒例のグアムキャンプに入る。「楽しみです。イニエスタの股を抜きたいと思います」と冗談交じりに言った。

 17年3月12日の群馬戦以来、2シーズンはゴールがない。13年ぶりのJ1ゴール、J1の舞台でカズダンス披露を見据え、「そこもまた目標として自分自身、努力していきたい」と意欲を燃やした。

(取材・文 佐藤亜希子)

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