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「去年のことが糧になった」昨季の悪夢払拭、横浜FC齋藤功佑がJ1昇格導く殊勲弾

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ゴールを挙げ、エンブレムを叩くMF齋藤功佑

[11.24 J2第42節 横浜FC2-0愛媛 ニッパツ]

 横浜FCの昇格を決定づける2点目をマークしたのは、下部組織で育ったMF齋藤功佑だった。最高の形でシーズンを締めくくり、13年ぶりのJ1昇格という悲願を達成。「サポーターのみなさんもそうだし、クラブとしてリベンジを果たせて、恩返しできたのはすごく嬉しい」と喜びを噛み締めた。

 1-0で迎えた後半7分だった。左サイドのスローインをFW皆川佑介がキープすると、MF松尾佑介がPA左を縦に仕掛け、速いクロス。これをワンタッチでおさめた齋藤が左足シュートでゴール上部をぶち抜き、貴重な追加点を挙げた。横浜FCはそのまま2-0で逃げ切り、自力でシーズン2位を確定させた。

「去年のことは思い出せばすぐに戻ってくるけど、あの時の感覚がこうやって報われたではないけど、本当にあれが糧になったと言えることが良かったと思う」

 “去年のこと”とは、2018年12月2日のJ1参入プレーオフ2回戦。J2リーグ3位でプレーオフに回った横浜FCは、同6位の東京V戦で悲劇に見舞われた。試合は0-0のまま後半アディショナルタイムに突入し、そのまま終わればシーズン成績上位の横浜FCがJ1リーグ16位との決定戦に進むことができた。

 しかし、90+6分のラストプレーで悪夢。CKに攻め上がったGK上福元直人がシュートを打つと、GK南雄太が防いだこぼれ球をFWドウグラス・ヴィエイラに決められた。この場面で上福元のマークを担っていた齋藤は、自責の念に駆られていた。

「あのワンプレーで決まってしまった。自分だけの目標だったら良かったけど、クラブとして掲げて、ひとつになってやっていたので、その時の悔しさは鮮明に覚えている」。その約1年後、昨季の辛い記憶を塗り替え、愛するクラブをJ1に導いた。

 今季は14試合の出場にとどまったが、重要なラスト4試合はMFレアンドロ・ドミンゲスからトップ下の定位置を奪い、来季につながる活躍を見せた。「ジュニアユース、ユースのときにスタジアムで見ていて、将来、ここでプレーするのかなと思っていた自分がいた中で、こうやってピッチに立って、J1昇格を果たせたことが大きい」。横浜FCに育てられ、憧れ、恩返しを果たした22歳は感慨深げに語った。

(取材・文 佐藤亜希子)

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