ついにV王手! 横浜FM一筋の喜田拓也「15年ですか、非常に長かったと思う。ただ…」
[11.30 J1第33節 川崎F1-4横浜FM 等々力]
2位で追うFC東京の結果次第では今節で優勝が決まる可能性もあった横浜F・マリノスだったが、ハーフタイムに他会場の情報を共有することはなかったという。主将の一角を担うMF喜田拓也は「あまりチームとしてそういうことは考えていなくて、目の前の川崎Fに勝つことだけを考えてゲームに臨んだ」と振り返った。
前節で首位に立った横浜FMと、2位FC東京の勝ち点差は試合前の時点で『1』。もし今節で横浜FMが勝ち、FC東京が敗れた場合、1試合を残して横浜FMの優勝が決まる状況だった。それでも1点リードで迎えたハーフタイム、チームの中に他会場の動向を気にする動きはなかったようだ。
そうした“目の前の一戦”に対する向き合い方は今季、横浜FMが貫いてきた姿勢でもある。前半戦の第17節でFC東京との首位決戦に敗れた時も「最後に一番上にいれば問題ない」と語っていた喜田。前節の松本戦後にはその真意を「(途中の順位に)チームとして囚われてはいなかった」と説明していた。
だからこそ、この日も視線が揺らぐことはなかった。2連覇王者の川崎Fを相手に4ゴールで完勝した一戦を振り返った喜田は「みんなの戦う姿勢は出ていたし、そこに向けた準備がピッチに出ていた。みんなの頑張りの賜物」と述べ、普段どおりにこの一戦でのパフォーマンスを称えた。
そんな喜田の前には、6年前の因縁さえも大きなプレッシャーではなかった。2013年最終節、それまで長期にわたって首位を走っていた横浜FMは川崎Fに敗れ、広島に優勝を献上。スタンドで見つめていたルーキーイヤーの当時19歳は「あの時の光景や雰囲気、悔しさはもちろん自分の中にはずっとあった」と振り返るが、次のように言葉は続く。
「メンバーも変わっているのも事実。クラブの歩みもまた変わってきている。そういう中でのチームへの接し方、自分のあり方は固定されたものではない。日々考えるものでもある。今年は特に立場的にキャプテンというものを扇原選手、天野選手と任せてもらった。中心となってチームをどう導いていかないといけないかを考えて進んできた」。
そこで語られたのはこのクラブで長年育ってきた者として、さらにはキャプテンを任された者の一人として、新たな横浜FMを導いていくという気概だった。なおかつそれは、自ら一人の力、キャプテンだけの力によって成し遂げられるわけではないという。
「僕ら3人、今は2人だけど、僕らが考えていることだったり示したいことは、みんなの協力する姿勢、一緒に作り上げていこうという姿勢があって初めてできる。当たり前かもしれないけど、それは一番難しいことでもある」。そうした言葉の裏には、ここまで“難しいこと”を続けてきたという自負がのぞく。
そのうえで「みんなの姿勢の賜物だし、みんなが報われるべきだと思う。最後、勝って優勝を決められればみんなの日々の姿勢が間違っていなかったということになる。そういう舞台にみんなを立たせてあげたい」と力を込める。最終節、FC東京との首位決戦で4点差以上で敗れなければ、その舞台に立てるのだ。
「僕としては6年、クラブとしては15年ですか…。非常に長かったと思うし、そこのチャンスみたいなものもあまり多くない中で、今年そのチャンスを目の前に自分たちの力で作り出したというところでは、今日のゲームに対する姿勢を見てもらえれば分かると思うけど、みんなの懸ける気持ちは出ていたと思う」。
「ただ、まだ何も決まっていないので。優勝を勝ち取れないと何も意味はない。満足している人、喜んでいる人は誰もいない。最後自分たちは勝ちに行くだけなので、状況うんぬん、相手どうこうは全く関係ない。次のFC東京戦に勝つだけ。すごくシンプルなもの、そこに向けてみんなで頑張っていきたい」。
小学生で横浜FMスクールの門を叩いてから20年弱、トップチームの仲間入りを果たしてから6年。クラブ一筋で育ってきた背番号8は1週間後、いつもどおりにホーム日産スタジアムのピッチに立ち、いつもどおりに全力で勝利を目指す。その先にこそ、15年ぶりのシャーレは待っている。
(取材・文 竹内達也)
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2位で追うFC東京の結果次第では今節で優勝が決まる可能性もあった横浜F・マリノスだったが、ハーフタイムに他会場の情報を共有することはなかったという。主将の一角を担うMF喜田拓也は「あまりチームとしてそういうことは考えていなくて、目の前の川崎Fに勝つことだけを考えてゲームに臨んだ」と振り返った。
前節で首位に立った横浜FMと、2位FC東京の勝ち点差は試合前の時点で『1』。もし今節で横浜FMが勝ち、FC東京が敗れた場合、1試合を残して横浜FMの優勝が決まる状況だった。それでも1点リードで迎えたハーフタイム、チームの中に他会場の動向を気にする動きはなかったようだ。
そうした“目の前の一戦”に対する向き合い方は今季、横浜FMが貫いてきた姿勢でもある。前半戦の第17節でFC東京との首位決戦に敗れた時も「最後に一番上にいれば問題ない」と語っていた喜田。前節の松本戦後にはその真意を「(途中の順位に)チームとして囚われてはいなかった」と説明していた。
だからこそ、この日も視線が揺らぐことはなかった。2連覇王者の川崎Fを相手に4ゴールで完勝した一戦を振り返った喜田は「みんなの戦う姿勢は出ていたし、そこに向けた準備がピッチに出ていた。みんなの頑張りの賜物」と述べ、普段どおりにこの一戦でのパフォーマンスを称えた。
そんな喜田の前には、6年前の因縁さえも大きなプレッシャーではなかった。2013年最終節、それまで長期にわたって首位を走っていた横浜FMは川崎Fに敗れ、広島に優勝を献上。スタンドで見つめていたルーキーイヤーの当時19歳は「あの時の光景や雰囲気、悔しさはもちろん自分の中にはずっとあった」と振り返るが、次のように言葉は続く。
「メンバーも変わっているのも事実。クラブの歩みもまた変わってきている。そういう中でのチームへの接し方、自分のあり方は固定されたものではない。日々考えるものでもある。今年は特に立場的にキャプテンというものを扇原選手、天野選手と任せてもらった。中心となってチームをどう導いていかないといけないかを考えて進んできた」。
そこで語られたのはこのクラブで長年育ってきた者として、さらにはキャプテンを任された者の一人として、新たな横浜FMを導いていくという気概だった。なおかつそれは、自ら一人の力、キャプテンだけの力によって成し遂げられるわけではないという。
「僕ら3人、今は2人だけど、僕らが考えていることだったり示したいことは、みんなの協力する姿勢、一緒に作り上げていこうという姿勢があって初めてできる。当たり前かもしれないけど、それは一番難しいことでもある」。そうした言葉の裏には、ここまで“難しいこと”を続けてきたという自負がのぞく。
そのうえで「みんなの姿勢の賜物だし、みんなが報われるべきだと思う。最後、勝って優勝を決められればみんなの日々の姿勢が間違っていなかったということになる。そういう舞台にみんなを立たせてあげたい」と力を込める。最終節、FC東京との首位決戦で4点差以上で敗れなければ、その舞台に立てるのだ。
「僕としては6年、クラブとしては15年ですか…。非常に長かったと思うし、そこのチャンスみたいなものもあまり多くない中で、今年そのチャンスを目の前に自分たちの力で作り出したというところでは、今日のゲームに対する姿勢を見てもらえれば分かると思うけど、みんなの懸ける気持ちは出ていたと思う」。
「ただ、まだ何も決まっていないので。優勝を勝ち取れないと何も意味はない。満足している人、喜んでいる人は誰もいない。最後自分たちは勝ちに行くだけなので、状況うんぬん、相手どうこうは全く関係ない。次のFC東京戦に勝つだけ。すごくシンプルなもの、そこに向けてみんなで頑張っていきたい」。
小学生で横浜FMスクールの門を叩いてから20年弱、トップチームの仲間入りを果たしてから6年。クラブ一筋で育ってきた背番号8は1週間後、いつもどおりにホーム日産スタジアムのピッチに立ち、いつもどおりに全力で勝利を目指す。その先にこそ、15年ぶりのシャーレは待っている。
(取材・文 竹内達也)
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