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「あのヘディングは見ていた」5年前は大学生…ダメ押し弾の山形FW山岸、2代目“山の神”襲名へ意欲

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後半37分に追加点を挙げた山形FW山岸祐也

[12.1 J1参入プレーオフ1回戦 大宮0-2山形 NACK]

 新“山の神”候補だ。J1参入プレーオフ1回戦で年間順位3位の大宮アルディージャを2-0で破り、2回戦進出を決めた同6位のモンテディオ山形。勝利を決定づけるゴールを挙げたのは、5年前に伝説を作った初代“山の神”こと山岸範宏氏(現JFAアカデミー福島GKコーチ)と同じ名前を持つFW山岸祐也だった。

 1点リードの後半37分、右サイドのMF柳貴博がクロスを送ると、ファーに走り込んだMF山田拓巳が頭で中央へ。「マイナスに1回入ってから動き直したので、ヤマくん(山田)から来るかなと思ったら来た。ヤマくんに感謝したい」。途中出場の山岸祐也が巧みな動きでマークを外し、右足で豪快に蹴り込んだ。

 山形にとっては、前回昇格を果たした2014年以来となるプレーオフだった。当時も今回と同じ6位で参戦し、準決勝のジュビロ磐田戦(○2-1)では終了間際にCKから山岸範宏氏がヘディングで決勝ゴールを記録。劇的な展開でファイナルへと勝ち進んだ。山形はその勢いのまま決勝のジェフユナイテッド千葉戦(○1-0)も制し、J1復帰を達成。シーズン途中からの加入で昇格を導いた山岸範宏氏の活躍は、今でも語り草となっている。

 2014年当時は流通経済大でプレーしていた山岸祐也。2016年に群馬でプロキャリアを始め、岐阜を経て今季途中に山形へ完全移籍した。名前が同じなら、加入したタイミングも同じシーズン途中。「意識しなくても結構いろんな人に言われるし、山の神っていうすごいあのヘディングは自分が5年前に見ていた。印象的というかすごいなと思っていて、それで同じ名前で山形に入って今年プレーオフに出るというのは奇跡」。本人も不思議な巡り合わせを感じており、「自分が活躍して第2の山の神になれたら」と襲名に意欲的だ。

 ただ、前回の昇格時とはレギュレーションが変わり、今回は敵地で3連勝を収めなければならない。8日に行われる2回戦の相手は年間順位4位の徳島ヴォルティスに決まった。「山形は今年、J1昇格という目標を掲げてやってきている」。目指す舞台まであと2つ。新“山の神”候補は「アウェーで絶対勝たないといけない状況は変わらないので、自分たちからアグレッシブに試合を進めていきたい」と次戦へのイメージを膨らませた。

(取材・文 阿部哲也)
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