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専門家は“4月3日再開”に難色…村井チェアマン「意思決定は25日に」

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 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と日本野球機構(NPB)がつくる『新型コロナウイルス対策会議』は23日、都内のNPB事務局で第4回会議を開いた。終了後、記者会見に出席したJリーグの村井満チェアマンは「4月3日に再開できるかの意思決定は25日に行いたい」とし、25日に予定する臨時実行委員会で結論を出す方針を述べた。

 もっとも、延期という決断が行われる場合は、2週間ごとに再開のメドを置いてシミュレーションしていく方向性も明かされた。村井チェアマンは具体的な再開日について「予断を持ってお伝えすることが難しい」と明言を避けつつも、4月18日、5月2日という再開候補の期日を挙げ、情勢を注視していく姿勢を見せた。

 一方、専門家からは4月3日の再開に向けて厳しい見通しが語られた。賀来満夫氏は「欧州を中心に流行が急速に拡大している。封じ込めという措置がヨーロッパ、アメリカで取られている。日本はどうにか抑え込んでいるのは間違いないが、第一波から第二波という形で海外からの帰国者から患者が出てきている。クラスター以外にリンクを得ない感染確認もなされている現状がある」と厳しい表情を浮かべる。

 そのうえで「状況の変化を見ながら十分な準備期間を当てていただきたい。できるだけ4月の初めではなく、後半にやっていただきたい」(賀来氏)と再度の延期を提案。三鴨廣繁氏は「われわれは決して延期ありきと考えているわけではない。どうしたら安全にできるか。基本的に開催を前提として意見を述べている」と理解を求めた。

 また政府の会議にも参画している舘田一博氏は「観戦のお客様に関しても外国旅行から帰ってきた人は注意していただきたいという教育・啓発をしていただきたい」「試合を見にきた時だけでなく、前後の時間に集まった時に同じように感染を広げないという行動変容」と述べ、再開日を見据えた注意点も語った。

 Jリーグは2月25日、新型コロナウイルスの感染拡大の恐れがあるとして、3月15日までの公式戦中止を決定。続いて3月12日、再開予定日を4月3日に延期していた。3度目の延期の可否は、全56クラブの代表者と行う臨時実行委員会(25日)に委ねられる形となった。

 Jリーグが最後に公式戦を行ったのは2月23日のJ1・J2開幕節だった。2011年の東北・東日本大震災でも試合が開催できない状況を強いられたが、3月6日の開幕節を最後に中断し、4月23日に再開を迎えたため期間は48日間。もし今回の再開日が4月18日以降となれば、期間は50日間を超え、未曾有の災害時を上回る史上最大規模の中断期間となる。

(取材・文 竹内達也)
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