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審判員の“PCR検査不受検”問題、村井チェアマンが公表遅れを陳謝「私の失念でした」

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村井満チェアマン(会議アプリ『Zoom』のスクリーンショット)

 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は7日、第7回実行委員会を行った。終了後、村井満チェアマンがオンラインブリーフィングに出席し、当初予定していた審判員へのPCR検査を実施していなかったことを会見の場で初めて明かした。各審判員はJ1リーグが再開した今月4日以降、割り当てられた試合会場で順次、検体採取を行っているという。

 村井チェアマンは「審判員は大半が職業をお持ちの方で、一か所に集まることが事実上難しく、検査を機動的に運用していくことが難しかった」と理由を説明。「7月4日からできる範囲で検査を乗せていく」と今後の見通しを語った。

 すでに開催された6月27日・28日、7月4日・5日のリーグ戦をはじめ、全審判員の検査結果が判明するまでの間は、陰性判定を受けていない審判員がピッチに立つ。一方で村井チェアマンは「レフェリーも検温と行動管理を徹底しており、選手ほどは身体接触が起こらない」と述べ、感染リスクが高くないことを強調した。

 とはいえJリーグは当初、6月12日付のガイドラインで「審判員も統一検査の対象とする」と記しており、初回検査の実施時・結果発表時にも、審判員が対象から外れたことを公表していなかった。また今月1日に朝日新聞の報道でこの問題が発覚して以降も、報道陣に対して個別に説明したのみで公式発表を行っていなかった。

 審判員の検査不実施がただちに感染リスクを招くものではないとしても、どうしてこのような不透明な流れとなったのか。村井チェアマンは「私の失念でした」と自身の責任を語った上で、次のように経緯を明かした。

 村井チェアマンが問題を認識したのは、初回検査開始日の6月19日。藤村昇司特命部長から報告を受けた。リーグ側はそれまでの間、本職を持つ審判員が特定の場所に集まることが難しい場合、一人ひとりの自宅などに検査キットをデリバリーして検体を採取する方法なども検討していたが、再開日までに間に合わせることが難しかったという。

 ところが村井チェアマンはその後、6月22日の実行委員会後と同23日の理事会後にオンラインブリーフィングを行っていたが、審判員のPCR検査には触れていなかった。このことについては「会見の場で皆様に修正をすべきだった。完全に失念していた。大事なことをお伝えすることができず、申し訳なく思っていた」と公表が遅れたことを陳謝した。

 また村井チェアマンは今日までの間、自身が会見で話した内容を精査し、23日のブリーフィングでも「審判員に検査をする」という旨の発言があったことを確認したという。「完全に社内で共有されていたにもかかわらず、上の空で聞いていたことが原因」と自身の責任に言及し、Jリーグ内部からも訂正がなかったことについて「役員相互の牽制が働き切っていなかった」と振り返った。

 なお、Jリーグが一般向けに公表しているガイドラインの最新版(6月26日付)では、審判員のPCR検査に関する記述は削除されている。もっともJリーグの説明によると、これはクラブ向けに記した詳細な手続きを省略した『一部抜粋版』を作成する過程で生じたもので「意図したものではない」という。

 したがって、今後も審判員がPCR検査の対象外となるわけではなく、7月4日からの検査は当初の予定どおりのプロトコルで行われている。またそこで陽性判定が出た場合、試合の割り当てから外れることになる。Jリーグは今後、ガイドラインの変更が行われた場合には随時、公式発表を行う方針としている。

(取材・文 竹内達也)
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