beacon

城西大から初のJリーガー!金沢内定DF片倉誠也「自分を信じてきてよかった」高校の同級生上田綺世からは新たな夢も

このエントリーをはてなブックマークに追加

金沢の田端秀規強化部長と握手するDF片倉誠也

 ツエーゲン金沢に来季より入団する城西大DF片倉誠也(4年=鹿島学園高)の会見が15日、同大坂戸キャンパスで行われた。サッカー部は1968年に創部、52年の歴史を持つが、プロサッカー選手を輩出するのは初。学校史に名を刻んだ片倉は「今までお世話になった方々に感謝を忘れずに、これからもトレーニングに励んでいきたい」と決意を新たにした。

 サッカー部の強化は進んでいる。今年9月には坂戸キャンパスから徒歩10分ほどの場所に人工芝グラウンドが2面完成。周囲には駅伝部も使用する1キロの周回コースや、ソフトボール部が使用する球場を併設する総合スポーツ施設になっている。

 またサッカー部は昨年まで関東1部の立正大でヘッドコーチを務めた東海林毅氏を監督に招へい。今年度は関東リーグへの算入を目指す関東大学サッカー大会への出場は逃したが、早速プロ選手を輩出するという結果を残した。21年度からは女子部も創設される予定で、今後も強化が続けられる予定だ。

 プロになるという夢を叶えた。鹿島学園高時代は高校選手権にも出場した片倉だが、城西大が戦うのは埼玉県リーグ。スカウトの目も届きにくく、「夢を疑う時期」もあったという。それでも大学生としてやれることをやってきた。勉学も疎かにせず、大学2年生の時に簿記1級に合格。自他ともに認める文武両道を貫き、4年生になった今年度は就職活動もしっかりと行い、一般企業から内定を貰った。

 ただ夢を最後まで諦めることはなかった。繋ぎとめたのは「綺世の存在」。高校時代の同級生であるFW上田綺世は、現在鹿島アントラーズでプレー。大学3年生でプロ入りを決断した高校時代の同級生のことは、常に一歩先を行く存在として意識し続けてきた。「めちゃくちゃ喜んでくれた」という上田からは、「同じ舞台で対戦できたらいいな」と新たな夢を託された。「最後まで自分を信じてやってきてよかった。今度は綺世と同じ舞台でやれるように頑張りたい」。

 金沢の田端秀規強化部長によると、来季はコロナ禍による不測の事態を想定して例年よりも2、3人多い選手編成を考えているというが、新卒選手の獲得は興国高のFW杉浦力斗、藤枝東高のDF稲葉楽、明治大のMF力安祥伍、そして片倉の4人で打ち止めとなる。高校、大学と3バックの左を務めることが多かった片倉だが、チームでは左SBでの起用を検討。また右利きのため右SBも出来ると考えており、アルビレックス新潟へのレンタル延長を打診しているDF渡邊泰基やDF長谷川巧らとの競争を期待している。

 片倉自身は11月16日から3日間の日程で練習に参加。本人はクロスの精度など攻撃面で課題を感じたというが、柳下正明監督がすぐに獲得にゴーサインを出したことからも分かるように、守備面では高評価を得た。自分自身でも強みは「対人の強さ。抜かれないところ」と自信を持っている。「この結果(プロ内定)に満足せずにトレーニングに励んで、1年目からしっかりと試合に絡んでいきたい」。クレバーな大卒サイドバックが、プロ一年目から定位置確保に挑む。

(取材・文 児玉幸洋)

TOP