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川崎F中村憲剛「地域密着」活動にも使命感の18年間「これだけ大きなクラブに」

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引退セレモニーで涙を見せた中村憲剛

 川崎フロンターレMF中村憲剛の引退セレモニーが優勝報告会を兼ねて開催された。約1万3000人のサポーター、現役生活を支えた家族、クラブOBや恩師らも集まった等々力陸上競技場でのセレモニー。憲剛は川崎Fを大きくした「地域密着」の貢献活動についても言及した。

「僕はフロンターレで学んだことがあって。それは地域密着、『川崎市の皆さんを笑顔に、元気にする』という合言葉を持ったクラブに入ったことで、多くの方と接し、本当に多くのものを学び、何より僕自身が皆さんと触れ合うことを楽しみにしていました」。スピーチでは、2003年入団当初からのクラブの歩みを振り返った。

「今でも忘れません、2003年開幕戦、雨でした。3〜4000人しか入りませんでした。本当か?と思いました。それでも地域密着を続けて、皆さんとともに歩んできた結果、いま、フロンターレはこれだけ大きなクラブになりました。自分がただサッカーをやってればいいっていう発想の人間だったら、ここまでプレイヤーとして続けられなかったし、地域のみなさんを巻き込んでフロンターレがここまで大きくなることもなかったと思います」

 セレモニーでは多摩川清掃活動など地域の貢献活動で関わってきた地元の人たち、中原消防署長や川崎市立有馬小学校教諭もレジェンドに感謝を伝えた。川崎市長の福田紀彦氏は「サッカーで人を幸せにして、サッカー以外でも川崎を盛り上げ、愛してくれた」と称え、史上3人目という市民栄誉賞が贈呈された。

 セレモニーで語った「地域密着」について、憲剛はオンライン会見で次のように説明した。

「フロンターレは地域密着で再スタートを切ったクラブ。自分もその過程で入って、右肩上がりでクラブが成長していくのを、川崎市の皆さんと盛り上がっていくのを、目の当たりにしてきた。選手はサッカーをやっているだけじゃダメなんだなと改めて思いましたし、川崎の人たちが喜んだり、勇気をもらえる存在であって初めて、選手としての意義があるんだとこのクラブで教えてもらった」

「川崎市の皆さん、県外の皆さんが来てくれて、フロンターレが認知されることが嬉しくて。地域密着のイベント、いろんなことをやりましたが、全部自分が望んだこと。そういう使命がJリーガーにある。皆さんのリアクションが嬉しかった。お客さんの人数としてダイレクトに反映されていたので。勝ってるだけじゃダメだし、そっち(活動)だけやってもダメ。ピッチの内外、両輪が走らなければクラブは強くならないと思います」

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