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長友だったら室屋だったら…“記録的”12人がJ入り内定の明治大主将DF須貝「いい比較のされ方、基準がある」

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甲府入りする須貝英大

 同年に同じチームから12名がJリーグ入りする。記録的な成果に明治大の主将DF須貝英大(4年=浜松開誠館高/甲府内定)は、「まずは去年の結果があってこそ。それだけ結果が出ていれば、明治にはどんな選手がいるんだろうとみると思う。それと去年に限らず、明治の歴史をしっかりと引き継いできてくれたので、明治の選手がほしいとなっていると思う」と、昨年大学タイトルを総なめにしたメンバーを中心とした先輩たちへの感謝を語った。

 今月初旬、須貝を悪夢が襲った。6日の立正大戦。前半終了間際に左足首を捻挫。もともと痛みを感じない程度に疲労骨折があったというが、その衝撃で完全骨折してしまった。左足にはすぐにメスを入れることになり、その瞬間、プレーヤー須貝の大学サッカーが終了することになった。

「復帰まで3か月くらい。実際回復は次第なのですが、しっかり治したい。クラブにもしっかりと治してほしいと言われている。キャプテンとして最後まで戦えないこと、大事な時期に離脱してしまったことは申し訳ない気持ちでいっぱい。でも怪我した直後は落ち込んだけど、自分はまだキャプテンとしてやるべきことは多いと思っています」

 昨年は今季JリーグでブレイクするU-23日本代表候補のDF森下龍矢(鳥栖)と激しいポジション争いを繰り広げた。当時、森下もよく「須貝がいるから安心してプレーできる」と話していた。

「明治にはいい見本になる先輩方がいる。(栗田監督にも練習から)室屋(成)だったらこうやっていたぞとか、長友(佑都)だったらこうだったぞ、森下、中村帆高だったらこう行っていたぞとか、声をかけられる。常に比較されて、いい比較のされ方、これくらいの基準でやらないと活躍できないぞといういい基準があると思います」

 ハイレベルな切磋琢磨が、驚異的な個のレベルアップに繋がっていると胸を張る。

 須貝自身は特別指定選手として参加した今夏にJリーグデビュー。一足早くプロのピッチを踏んだ。出身は山梨県甲府市に隣接する中央市。幼少期から甲府のファンクラブ会員で山梨中銀スタジアムには毎週のように足を運んでいたファンの一人だった。「憧れのチームでした」。まずはまだ叶えていない、本拠地でのデビューに思いを馳せる。

 ただ本人も強調したように、明治大のキャプテンとしてやるべきことが残っている。「下級生や同期からも須貝のために戦うであったりとか、胴上げするために優勝するからという声をもらった。チーム自体も自分が怪我したことより、全員が日本一を獲ろうという気持ちでやっています」。Jリーグ内定者12人を抱えるドリームチームが、年明けの特例全国大会「#atarimaeni CUP」で、名実ともに今年度の王者の地位を不動のものにする。

(取材・文 児玉幸洋)
●第94回関東大学L特集

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