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「死んでやろうかと思ったこともあった」プロ9年目でJ1デビュー、大分GKの感動秘話に大反響

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プロ9年目でJ1デビューを果たした大分GKポープ・ウィリアム

 大分トリニータのGKポープ・ウィリアムが26日に自身の『note』(https://note.com/poppwilliam1021)に投稿した長文が大きな反響を呼んでいる。

 現在26歳のポープ・ウィリアムはアメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、東京Vユースから2013年にトップチームへ昇格した。その後、岐阜、川崎F、大分を渡り歩き、昨季に期限付き移籍した岡山でキャリアハイとなるJ2リーグ戦40試合に出場。今季、川崎Fから大分に完全移籍すると、25日のJ1第11節・浦和レッズ戦(●2-3)で待望のJ1初出場を果たした。

 ここにたどり着くまでには、知られざる多くの苦労があったようだ。ポープ・ウィリアムは「J1デビュー。母への感謝。」と題した文章で「プロ9年目でようやくこの舞台にたてました。諦めなくて本当に良かった。僕は這い上がった」と感慨深くつづり、「プロに入ってから小学生の練習に頭を下げていれてもらったことも、女子中学生と一緒に練習した時期もある。もちろん全部自分が招いたこと。ただ、それだけじゃないことも沢山あった。恥ずかしくて、悔しくて、情けなくて死んでやろうかと思ったこともあった」と過去の経験を明かしている。

 それでも這い上がってこられたのは「僕のことを諦めてバカにした人達を見返したかった」という思いと、一番は母親の存在が大きかったようだ。

「母子家庭で育った僕は常に母親に甘えてばっかでした。借金を残していなくなった父親の代わりに借金を返しながら僕と姉をたった1人でここまで育ててくれました。僕には想像できないくらいの苦しみ、辛さがあったと思います。僕がサッカーを続ける為に夜中の3時にパン屋に働きに行く母の姿を今でも思い出します。どんなに疲れてようが次の日には仕事に向かう姿をこの目で沢山見てきました。どんなに苦しくても僕達2人を常に大切に育ててくれました」

「忍耐力の塊みたいな人」であり「僕の唯一の理解者」だったという母親。ポープ・ウィリアムは「その姿を間近で見てきたからこそ僕も諦めないことができたんだと思います」と実感を込め、「どんな言葉で母に感謝を伝えたらいいか分かりません」と思いを語った。

 そうして迎えたJ1デビュー戦は「母やこれまで支えてくれた人達の為に、感謝の気持ちを持って全力で楽しんでプレーすることだけに集中した。僕が9年かけて学んだこと、積み重ねてきたことを信じ、自信を持ってプレーさせてもらいました」と振り返っている。

 困難を乗り越え、プロ9年目で立った憧れの舞台。不屈の26歳GKは「諦めなければいつか必ず良いことがある。僕がこれから証明してみせます」と誓った。

 この投稿は現役選手やファンの間で大きな反響を呼び、対戦相手だった浦和DF岩波拓也も自身のツイッター(@ta_ku0618)で反応。「試合前、浦和のキーパーは501試合目でおれは1試合だよって笑いながら話してきたけどここまで苦労してたどり着いた1試合目だったのか」と驚きを示し、「まだまだ頑張ろうぜ94世代」と1994年生まれの同志にエールを送った。

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