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明秀日立高から初の高卒Jリーガー誕生へ!中体連出身、大きく成長した194cmGK谷口璃成が岡山内定!

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明秀日立高の194cmGK谷口璃成ファジアーノ岡山加入内定

 ファジアーノ岡山は8日、明秀日立高(茨城)GK谷口璃成(3年)の来季新加入が内定したことを発表した。谷口は身長194cmの超大型GK。17年度の全国高校選手権で8強入りするなど茨城の“新興勢力”明秀日立にとっては、FWンドカ・チャールス(現YS横浜)に続き2人目のJリーガーで、高卒でのプロ入りは初めてとなる。 

 194cmの高さを活かしたハイボール対応に加え、大柄ながら鋭く前へ動くこともできる谷口はこれまで清水などJ1、J2の計4クラブに練習参加。高卒GK獲得を目指していた岡山には、今年7月と8月に練習参加している。「1回目行った時に自分の中で良いプレーができて、意外とシュートも反応できるなというのがあって、ポジティブな印象でした」。2回目の練習参加後にオファーを受けた谷口は他のオファーと熟考した末、岡山入りを決断した。

 岡山の雰囲気の良さ、そして自分の課題を改善できる環境だと感じたことも大きいようだ。「岡山のGK陣の雰囲気は、これまで行った中で一番良くて。一人椎名(一馬)さんが凄い声を出してくれて、自分にも声を掛けてくれて、凄くやりやすかったという印象です。(他クラブでも清水GK権田修一が親身になってアドバイスをくれたりしたが、岡山のGK陣は)自分ができていないなと思ったら、すぐに声を掛けてくれて、残っても一緒に練習してくれたりとか、自分に凄く付き合ってくれました。(岡山のスタイルは)しっかり下から繋いで、自分の得意ではないところが改善できるかなと、そこまで考えて岡山にしようと思いました」。谷口は岡山と瀬戸内海を挟んだ“隣県”香川県の高松市立勝賀中出身。地元にも近いクラブからのプロ入りだ。

 谷口は中学時代、香川県ベスト8が最高成績だが、その素材感を期待されてナショナルGKキャンプを経験している。明秀日立からの熱烈なアプローチと本人の明秀日立GKの活躍への憧れもあり、茨城へ。谷口は「中体連から上がってきて、基礎すら全然できていな状況だったので、その状態からJリーグで勝負できるまで引き上げてくれたのは本当に感謝しかないです」と思いを語る。

 明秀日立の萬場努監督は、「あの高さで自分の身体を思うように動かせる。ご家族のお陰もあって、怪我が圧倒的に少ないというのは彼の成長をアシストしていたと思いますね。ほとんど休まないので」。明秀日立への進学も谷口の成長を後押ししたことは間違いない。

 明秀日立は、OBの大塚義典GKコーチが自身の進退を懸けて“大器”谷口を育成。今年からはGK指導に同じくOBの鈴木翼GKコーチが加わった。高校進学後も身長が6、7cm伸びたために身体づくりはやや遅れたが、それでも妥協することなくできることを増やし、武器をレベルアップ。「(GKコーチ2人体制で)彼に割ける時間が他のチームよりは圧倒的に多かったと思います。手塩にかけることがウチの高校だったからできたと思います」(萬場監督)。谷口の才能、パーソナリティー、そして指導者、寮と練習場が同じ敷地内にある練習環境が同校から初の高卒Jリーガー誕生に繋がった。

 萬場監督は「明秀日立のチームカラーが『挑戦しよう』と押し出しているので、目立つプロのキャリアの中でも、チャレンジしているなと感じられるような活躍をしてもらえれば」と期待する。一方、先駆者となった谷口は「(明秀日立から)初めての高卒Jリーガーは自分でもずっと目標にしていたところで、自分が新たな道を作って、これからもっと広げていかないと。明秀日立はもっと、強くならないといけない、と思っているので、自分もそういう責任は感じています」と前を向いた。

 憧れの存在はイタリア代表のGKジャンルイジ・ドンナルンマ。「サイズ的にもちょっと自分よりも大きいくらい。あの大きさで反応速くて、ドシッと構えていて、自分が目標にしている選手です」。現在、岡山の守護神は清水からレンタル移籍中のGK梅田透吾。2年、3年と岡山で地道に成長を続けて、訪れたチャンスを逃さずにポジションを奪取する考えだ。

「チャンスをもらえるように毎日やって、チャンスをもらえたらその試合で結果を残さないといけない。それまでの過程を大事にしつつ、もらったチャンスで自分が掴めるようにしたい。シュートは全部止めて、ビルドアップとかにも係わっていけるGKという自分の理想の形があります。短いキックも、長いキックも含めてシュートストップとかだけじゃなくて現代サッカーにとって必要なものを表現できるようになりたい。自分でいうのも何なんですけれども、これだけサイズのあるGKは日本にあまりいないと思いますし、(中体連出身で大柄な)自分が代表の舞台とかでサッカーできたら、色々な人に希望とかを与えられるかなと思うので目標にしていきたいです」。少しずつ自信を掴んできている谷口にとって、2年後のU-20ワールドカップ出場も目標の一つ。中体連出身の大型GKが岡山、そして母校のためにも長く活躍する。

(取材・文 吉田太郎)
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