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中体連出身、「辞めたい」の時期も。履正社高の仲間たちに支えられ、富山内定掴んだGK平尾駿輝がオンライン会見で意欲

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カターレ富山加入が内定した履正社高GK平尾駿輝(左)と同校の平野直樹監督(写真提供=履正社高)

 14日、履正社高(大阪)GK平尾駿輝(3年)のカターレ富山内定が発表され、オンライン記者会見が開催された。家族を楽にしたいという思いで高校からのプロ入りを望み、2回の練習参加を経て内定。そして、この日仮契約をした平尾は「一番はホッとしています。日本代表の夢がある。ブレずにやっていけたら良いなと思います。後ろからチームの10人を勇気づけられるような、安心してくれるようなGKになりたいです」。夢へ向かって富山で成長し続けることを誓った。

 186cm、83kgの大型守護神。会見に出席した富山の遠藤善主強化部長が「素材として申し分ない」と評し、履正社・平野直樹監督も「身長も身体もあるし、太さ、パワーもあるので素材として楽しみ」と頷く素材感の持ち主だ。
 
 中体連の高槻市立五領中(大阪)出身。経験面が浅かった平尾は高校1年時、周囲とのレベル差に悩み、平野監督に「辞めたいです」と相談したこともあるのだという。だが、「『まだ経験が浅いから。身長もあるし、ここで辞めたら後悔するよ』と言われて、そこで思い留まって頑張り続けて、今まで来ました。(当時は)やって行けないくらいまで気持ちが沈んでしまったんですけれども、平野先生に声で助けてもらいました」。平尾は国体京都府選抜のGK藤原光輝(3年)と同期で、先輩も実力派ばかり。悩みも多かったようだが、それでも周囲の支えで前を向き、努力と成長を続けてきた。

 平尾が履正社での2年半で学んだことは、周りと助け合うことだという。「自分で抱え込まず、周りに相談して問題を解決すること。それを一番学びました」。自分に自信を持つことができず、悩んだ時に助けてくれたのが仲間やコーチ陣。特にGK陣は仲が良く、練習帰りのバス内でそれぞれがどう動けば上手くいくか話し合うなど、一緒に成長してきたのだという。

 今季のプリンスリーグ関西で履正社は、9勝3分1敗の成績で首位。13試合でわずか6失点とリーグナンバー1の堅守を誇っている。ただし、平尾は「自分の力だけじゃないので。DFの力もありますし、実際に僕、スーパーセーブはあまりしていなんですよ。仲間と協力するという学びもそこで活かせたかなと思います」ときっぱり。平野監督が「奢りがないので。自分は下手というところから始まっているので、気持ちが凄く素直な子です」と説明する謙虚で仲間を大事にするGKは、練習参加時に仲の良さを感じたという富山からプロ入りする。

 その平尾の武器は長身を活かしたシュートストップだ。周囲の助けもあり、現在自信を持ってプレーしている平尾について、平野監督は「試合使うたびに自信をつけて、大きな体が(以前は小さく見えていたが)だんだん大きく見えるようになってきました」。GK川島永嗣(ストラスブール)や西部洋平(富山)が彼の目標とする姿だ。まずは履正社での選手権日本一とプレミアリーグ昇格に挑戦。そして、富山で課題のビルドアップや心も成長させて、新たなチームメート、サポーターに信頼されるGKになる。

(取材・文 吉田太郎)
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