福島ユナイテッドFCは9日、昌平高(埼玉)DF八木大翔(3年=FC LAVIDA出身)の2022年シーズン新加入が内定したことを発表した。

　今年、強豪・昌平のDFリーダーを担う八木は、「プロサッカー選手が小さい頃からの夢だったので、嬉しさと、これからは自分がたくさんの人に見られる存在になるという自覚が湧きました」とコメント。そして、「今、目指している選手は(元日本代表DFの)坪井(慶介)選手。坪井選手みたいにスピードを活かしながらチームに貢献できるDFになりたい。スピードが一番の長所だと思うので、そこを一番見せながら、ファンの皆さんにも応援されるような選手になりたい」と誓った。

　八木はタレント揃う昌平で1、2を争うスピードの持ち主。FC NEOS、FC LAVIDA、昌平でもチームメートでこの日北九州入りが発表されたMF井野文太(3年)は、八木について「リーダーシップは小さい頃から取れていたので、そういう部分では周りに比べて長けていると思いましたし、中学の頃から対人の強さに自信持っているなというのがあって、高校に入ってスピードもついてきて、最近だとアイツが1対1で負けているシーンなんてあんま見ないですし、パスの精度もついてきている」と説明する。八木は福島の練習会に参加した際、高校進学後により向上したスピードや声などの武器を全力で表現したという。

「2回ほど行かせて頂いて。最初凄く緊張していたんですけれども、せっかくのチャンスですし、そこで自分の長所を活かさないと意味がないと思ったので、初対面だった選手にも自分から積極的に声を出して、福島の中でも自分が一番声を出してアピールしようというのはありました。元々スピードには自信があって、プロで通用するのか試したい部分があったので、自分でスピード勝負に持って行く形を練習の中でも作りながら、そこでアピールできたのは大きかったのかなと思います」。昌平では4バックのCBとしてプレーしてきたが、福島の3バックにも対応。自分のスピードを活かした攻め上がりを積極的に出した。

　福島には昌平の1学年であるMF柴圭汰と2学年先輩であるMF鎌田大夢が在籍。先輩たちに頼りすぎないことを意識しながらも、「分からないこととかは、柴君と鎌田君に聞きながら自分の良さは出せたと思います」。特に影響を受けたのは柴だったという。

「自分のプレーを変えずにやり続けて、誰よりも守備やっていたし、誰よりも攻撃参加している。昌平からの変わらないプレースタイルを貫いていたので、そこは自分もプレーの軸は変えずにやっていこうかなと思いました」と八木。自分のプレーを貫いて評価を得たが、その特長をプロの世界で通用する武器にしなければならないと実感している。

「プロではただのスピードでは通用しないと思うので、そこの駆け引きとか、ポジショニングとかをもっと学びながらもっと追求していきたい。あとはヘディング。CKで上がった時とかに最後の叩き込む強さがまだなくて課題かなと思うので、決めれる強さをもっとつけていきたいと思っています」と力を込めた。

　選手権出場を逃し、全国の景色を「後輩に見せてあげられなかったのは悔しい」と語る。その悔しさも持ってプロ入りする八木は、チームメートやサポーターを喜ばせる、また応援される選手になって、福島に多くの白星をもたらす存在になる。

(取材・文　吉田太郎)

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