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[J内定高校生の声_4]ゴールを奪われないオーラを纏う守護神。大成高GKバーンズ・アントン「英語の成績はだいたい5」「夢は〇〇に出ること」

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FC町田ゼルビア内定の大成高GKバーンズ・アントン

 ゲキサカでは2022年にプロ入りする高校生選手たちをインタビュー。進路を決めた理由や自分の半端ないところ、選手権へ向けた意気込みのほか、『ゲキサカ質問箱』から好きな女性芸能人やハマっている漫画・Youtube番組、チーム内での流行りなどランダムな質問にも答えてもらっている。

 第4回は、FC町田ゼルビア内定の大成高(東京)GKバーンズ・アントン(3年=FCトリプレッタJY出身)だ。高校1年時からチームのゴールマウスを託され、抜群のシュートストップを武器に、着実な成長を重ねたことでプロ入りを勝ち獲った高いポテンシャルを秘める守護神が、町田サポーターやサッカーファンへ向けて自身のことを明かす。

【ゲキサカ質問箱】より
―体力テストの成績は?
「確かMAXが70なんですけど、60代後半ぐらいです。ハンドボール投げはやり方を間違えて、真下に投げちゃって、5メートルぐらいでした(笑)」

―チーム内で自分が一番なことは?
「大成だったら、自分は身体が硬いので、ケアとかは一番ちゃんとしていると自分では思っています」

―実は〇〇なんです。
「明るい方なんですよ、ここでは。でも、意外と友達がいなくて、悲しいんですけど、学校でも5人ぐらいしかいなくて、永田(陸)とかとずっと一緒にいますね(笑)」
(―前より明るくなった感じもありますが。)
「そうですね。楽しいんですよ、やっぱり明るい方が(笑)。楽しいのが好きなので、明るくいようと思っていて。まあ、思っているというか勝手になっちゃいました。たぶん永田のせいです(笑)」

―今まで一緒にプレーした選手でコイツはハンパないって誰?
「これは永田です。やっぱり。永田陸。同じチームのキーパーなんですけど、キックも本当に抜群で、そこは自分も本当に尊敬しているところで、左右どちらにも蹴り分けられますし、パントキックも低弾道が蹴れますし、『スゲーな』と思います」
(―永田くんとは本当に仲がいいですよね。)
「高1の頃は全然話していなくて、永田が高2でトップチームに上がってきた頃からずっと一緒にいて、家も結構近くて、自粛期間も『一緒にボール蹴ろうよ』とかもあって、それでだいぶ仲は深まりましたね。いつも一緒にいます(笑)」

―サッカーを始めたきっかけは?
「自分は友達がサッカーをやっていて、昼休みに誘われることが多くて、そこで『凄い楽しいなあ』と思って始めました。小学校に入る前だから、5歳ぐらいです。アメリカにいた時はサッカーを知らなかったです(笑)。野球とちょっとバスケ、みたいな感じで、お父さんが野球、バスケ、アメフトが好きで、お兄ちゃんはやらされていた感じです。お父さんが英語しか話せなかったので、英語はちょっと忘れている部分もありますけど、普通に話せると思います。英語の成績はだいたい5です」

―憧れのサッカー選手は誰?
「リバプールのキーパーのアリソン・ベッカーです。ビッグセーブもしますけど、基本的にはあまりしないと思うので、やっぱりポジショニングが凄く上手いということですし、飛び出す勇気もキックも凄くて、全部できるキーパーなので、そこは憧れています」
(―オリバー・カーンも好きなんですよね?)
「オリバー・カーンはあまり試合は見たことがなくて、YouTubeで動画しか見たことはないんですけど、『本当に戦っているな』というのは一瞬で見て取れますし、あそこまで戦えるキーパーがチームにいると本当に楽だなと思います。しっかりやることをやって、指示も出して、味方が少しでも気を緩めたら叱りますし、そこはカッコイイなと思います」

―自信のあるプレーはどんなプレー?
「シュートストップがメチャメチャ好きで、1対1も結構得意なんですけど、本当に止めた時は気持ちいいですし、そこは凄く自信があります。PKに関してはキーパーコーチのピントさん(ノグチ・ピント・エリキソンGKコーチ)からは『先に動くな』と言われていて、そこしか意識していないですね。とりあえず見てから飛んで、という感じです。PKの前に自分は絶対相手の前に立つんですけど、それで相手が自分の顔を見て、目を逸らされたら『これは止められるな』という気にはだいたいなりますね。アレはあえてやっています。相手のテンポに持っていかれないように、自分のゾーンにできるようにしていますね」

【J内定選手一問一答】より
―FC町田ゼルビア内定が決まった感想は?
「率直に話があった時は『嬉しいなあ』と思っていたんですけど、ちょっと時間を置いて冷静になってから、本当に責任が重くなるなと思って、自分の行動1つ1つもそうですし、みっともないプレーをしていたら『アレでJ内定なんだ』と思われてしまいますし、練習から意識は変わりました」

―町田内定までの経緯は?
「最初は去年のリーグ戦を見に来ていただいて、その後に『練習参加に来てください』と言われて、行かせてもらいました。その後に出来が良かったみたいで、キャンプも呼んでいただいて、そこで決まりました。確か選手権が終わった後だったので、『マジか!』と思って、自分は試合に出てもいなかったので、『やった!』と(笑)。自分も事の重大さが分からなくて、『頑張ろう』と思いました」
(―ちょっと意外な感じもありましたか?)
「そうですね。選手権に出ていた永田の方が去年は目立っていたので、そっちかなと思っていたんですけど」

―町田に決めた理由は?
「高校2年の時に話を出してもらって、そこは凄く誠実さも感じましたし、『大切にしてくれるんだろうな』と練習に参加した時も思って、『ここなら伸びるな』と。何より一番は東京ということもあって、近いですし、何かあったらいつでもここ(大成高校)に戻ってこれますし、それが一番大きかったですね」。
(―いつでもここに戻って来たいんですか?)
「もしかしたら永田がいるかもしれないので(笑)」

―町田に練習参加した時の印象は?
「全部衝撃を受けたんですけど、キーパー陣は初めて行った時が秋元(陽太)選手と福井(光輝)選手がいて、秋元選手は練習が始まる1時間前からエアロバイクをやっていて、汗をかいた状態で練習に入っていて、『この意識はヤバいな』と思いました。『凄く意識が高いんだな。見習わないとな』と。福井選手はプレーの質が本当に1つ1つ高くて、もう『これがプロか』と。『頑張らないとな』って思いました」

―得意なプレーはどうやって磨いてきた?
「自分はシュートストップが得意で、1対1もそうなんですけど、それを磨いてきた方法は練習の中でキーパーたちとパスをもらって、トラップからシュートというやつで、アレは結構前からやっています。正直キーパーが一番シュートが上手くて(笑)、シュート練習はそこでやっていて磨かれましたね。永田も本当にシュートは上手いので」

―一番嬉しいプレーは?
「一番嬉しいのは、自分が仕事をしなければそれがベストゲームだと思いますし、声で味方を動かして、シュートゼロで終えられれば一番いいと思いますけど、さすがにそんな試合はないと思うので、ピンチを作られなければ負けないですし、背後に来たボールだったり、クロスを全部自分が処理して、シュートまで持っていかれないようにしたいです。まあ、武器がシュートストップなんですけど(笑)」

―ゴールを奪われないオーラが出てきている印象も。
「1本止めて乗れば、相手も覇気というか、気力で押し通せば『うわ、マジか。ヤバいなコイツ』ってなると思いますし、実際にそれで今年の関一戦(インターハイ東京都予選2回戦・関東一高戦)も乗り切れたと思いますし、相手を弱くするという意味もあるので、それは結構意識していますね。

―成長した部分と向上させたいプレーは?
「今年は正直シュートを打たれる回数が多かったので、失点もリーグ戦で考えれば多いんですけど、止めたことも多いなと思います。でも、逆にまだまだだなと思ったのは、ピンチから攻撃の一手となるキックが自分はあまりできていないなと思っていて、それはもっと磨いていきたいです。まだまだ全然ベストではないと思いますし、ミスも全然しますし、まだまだミスしているようではプロでは通用しないですし、そこはどんどん磨いていかないといけないと思います」

―自分にとってのライバルは?
「大成のキーパー陣は永田と(小山)飛来がいるんですけど、永田は1年生の時から一緒にやっていて、去年も自分はスタメンを奪われて、試合もまったく出れなくて、去年は飛来と永田で選手権予選で決勝まで行って、本当に凄く良いパフォーマンスをしていて、自分も『コレはヤバい』と思って。アイツの存在が今までは一番刺激になりましたね。たぶんあの2人がいなかったら、自分はプロになんて入れていなかったと思いますし、あの2人がいたから自分もここまでレベルアップできたと思っていますし、あの2人はおちゃらけていますけど(笑)、そこは感謝しています」
(―何であんなに仲が良いんですか?)
「1年生からピントさんの練習がキツ過ぎて、3人で乗り越えたので、それは仲良くなります!」

―プロで対戦してみたい選手は?
「夢はチャンピオンズリーグに出ることで、日本人のGKは出たことがないと思うので、オレが初めて出て、ヨーロッパの“ヤベー”選手たちのシュートを止めたいなと思っています」

―その中で特に対戦したいのは?
「誰だろうなあ。(アーラン・)ハーランドかなあ(笑)」

―そこまで辿り着ける自信は?
「もちろん近付かないといけないと思っていますし、口だけじゃダサいですし、行動で示して、辿り着くための練習をやっていきたいと思います」

―大成での3年間で自信を得た?
「代表も呼んでいただいて、どう見られたかはわからないですけど、自分の中では結構通用したかなと思いますし、日本の同世代のトップレベルの選手たちとやって、その経験は結構自信に繋がっています」

―他校で意識する選手は?
「昌平高校の西村遥己は、1回目に代表に呼ばれた時に、遥己が練習試合の1本目で出て、メチャメチャ止めたんですよ。『あ、ヤバいコレ。代表エグいな』と思って、そこは凄かったですね(笑)。結構代表でも一緒にいてくれて、仲良くなりました」

―中学時代に今の立ち位置は想像できた?
「中学はあまり試合も出ていなくて、サッカーをいつまでやるかなと考えていたくらいなので、高校に入って、プロがちょっと見え始めてから、自分が変わったのはそこからですね」

―当時の自分と今の自分の違いは?
「中学の時は練習10分前に行って、パッと着替えて適当にやって帰って、みたいな感じで、今ではありえないレベルの意識でしたし、食べるモノも本当にヒドくて、『もったいなかったなあ』って今になって思います」

―選手権へのイメージや想いは?
「やっぱり高校サッカーの集大成ですし、夢ですし、大成は1回も全国に出たことがないので、自分が出ていた1年生の頃はベスト8で負けて、デカい壁というのは感じています。そこでも掴まないと、たぶんここから先も、そこのデカいものを掴んでからじゃないと、後悔が残ると思いますし、最後に思い切りやれるように頑張ります。選手権はちょっと馬鹿げているかもしれないですけど、自分は全国制覇しか考えていないので、そこを目掛けてやっていきます」

―全国制覇へ向けてやるべきことは?
「ウチのチームなら全然行けると思いますし、アイツらがちょっとだらけていたら、自分からも『これじゃ全国獲れないぞ』と言うような嫌われ役も買って出ないといけないなと。自分もまだまだ全国で一番になれるようなキーパーではないと思いますし、自分も含めてチームの雰囲気を良くしていきたいです」

―プロ1年目と将来の目標は?
「プロ1年目で試合に関わりたいです。どんな形であれ、良い準備をして、絶対に試合に出られるようにしたいと思います。その先は、J2で町田をJ1に上げてから、海外に行きたいですね。チャンピオンズリーグに出たいです」

―サポーターへメッセージを
「町田ゼルビアのバーンズ・アントンとして、『町田ゼルビアのゴールを守るのはバーンズじゃないといけない』と言われるように、自分もこれから頑張ります!」

(取材・文 土屋雅史)
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