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“生き残った”現役ラストマッチ…大宮36歳DF河本裕之「最高の形で終わることができた」

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河本裕之、三門雄大、大前元紀、畑尾大翔が笑顔でセルフィーにおさまる

[12.5 J2第42節 大宮3-1群馬 NACK]

 大宮アルディージャは“自力残留”でレジェンドの花道を飾った。DF河本裕之にとっては運命の直接対決が現役ラストマッチ。この試合に勝てば無条件で残留を決められたが、引き分け以下の場合は他会場の結果次第で降格の可能性があった。

 大宮は直近6試合勝利がなかったが、一丸となって奮起した。J2に生き残るため、そして河本の引退に花を添えるため。前半7分に先制を許す展開となったが、サイド攻撃から16分にFW菊地俊介が同点ゴール。前半35分にはMF三門雄大が逆転ゴールを挙げ、ベンチの河本を囲んで歓喜の輪をつくった。

 3-1とリードを広げると、終了間際には河本が現役最後のピッチに立ち、7試合ぶりの勝利で締めくくった。霜田正浩監督が「コウモを最高の状況で使えたのは選手たちのおかげ。選手たちに感謝したい」と称えれば、三門は「最後にこうやって勝って笑顔で送り出すことができてホッとしています」と安堵の表情。DF馬渡和彰は「なんて頼れる人なんだろうと試合中に感じた。戦う背中を一番近くで感じさせてもらった貴重な数試合だった」とリスペクトを語った。

 引退セレモニーでは豪華な顔ぶれからのビデオメッセージが上映された。元チームメイトのDF菊地光将(山口)やDF奥井諒(清水)、FW家長昭博(川崎F)をはじめ、神戸時代に共にプレーしたFW三浦知良(横浜FC)からもメッセージが届いた。

 河本は滝川二高を卒業後、2004年のプロデビューから神戸と大宮でプレー。7年半を過ごした大宮の選手として、スパイクを脱ぐことを決めた。元チームメイトのFW大前元紀やDF畑尾大翔が先発した群馬が、最後の対戦相手となった。河本は涙を拭いながら、感謝の言葉を語った。

「18年間、苦しいこともたくさんありましたけれども、ファンサポーターの皆さんやパートナー企業の皆さん、ボランティアスタッフやチーム関係者の皆さん、そして素晴らしい指導者の皆さん、チームメイト、皆さんの支えのおかげでここまでやってこれました」

「今年もすごく苦しいシーズンでしたけれども、若い選手、ベテランが頑張ってくれて、今日も素晴らしい試合をしてくれて、最高の形で終わることができました。出会いに恵まれて、常に側で誰かが支えてくれてやってこれました。一番側で支えてくれた妻や子どもたち、寂しい思いや辛い思いもさせたけど、今までありがとう」



(取材・文 佐藤亜希子)
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