法政大で7日、Jリーグ加入内定者の会見が行われた。内定先の湘南ベルマーレでリハビリを行っているDF蓑田広大(4年=青森山田高)を除く8選手が出席。高校選手権を優勝した前橋育英高のキャプテンだったMF田部井涼や、同大会の得点王のFW飯島陸ら入学前から話題を集めることの多かった世代だが、現時点で9人がJリーグ入りを決める歴代屈指の代となった。

　会見には内定クラブの強化責任者らが出席。獲得に至った経緯などを説明し、ルーキーイヤーからの飛躍を期待した。

以下、長山一也監督とスカウトたちのコメント
●MF松井蓮之(川崎フロンターレ内定)
長山監督評
「今年の大学サッカーをけん引する選手の一人。球際の強さ、展開力、セットプレーでも点が取れる。もともと守備的なところにストロングがあったが、今年はプレーの幅が広がった。川崎は日本ナンバーワンのチームだと思いますが、そこでいろいろと吸収して、日本を代表する選手になってほしい」

向島健スカウト担当部長
「スカウト17年目になりますが、伝統ある法政大学さんからは今回が初になります。ようやくご縁ができて嬉しく思います。我々が大事にしているのは人間力。彼と接する中で仲間、家族を大切にする、YouTubeの動画も拝見したが、仲間に愛され、信頼されている。スター性も含めて魅力を感じた。ちょうど約1年前にオファーを出させてもらったが、今年1年でもすごく伸びている。楽しみながら謙虚に努力して、伸びて行ってほしい」

●MF田部井涼(横浜FC内定)
長山監督評
「高校選手権でもチャンピオンになってキャプテンマークを巻いていチームを引っ張った。その流れを継いで法政でも引っ張ってくれている。今年は怪我もあって試合に出られない悔しさもあると思うが、キャプテンとしての役割をしっかりとこなしてくれている。インカレの出場も難しいが、最後まで自分の立場を理解して取り組んでくれている。ゲームメイクが得意で、前線で絡んでプレーする選択肢も増えてきた。得点の匂いを醸し出すような存在になっている。横浜FCのJ1復帰に力を発揮してくれると思う」

池西希強化担当
「高木友也選手を福田(健二)が視察していた中で、当時3年生だった田部井選手に目が留まったことが出会い。2月のキャンプに途中からでしたが参加してもらった。そこでのパフォーマンスが良くて、帰りの宮崎空港ですぐにオファーを決めたのを思い出します。チームはJ2降格という悔しい結果に終わったが、J1昇格を一緒に成し遂げたい。左足の精度や経験を生かしたゲームコントロール力を評価している。そして人間性。獲得する上で一番重視しているところです。会話をするたびに心地よさを強く感じている。横浜FCでもリーダーとして長いことチームの中心を担ってほしい」

●FW佐藤大樹(FC町田ゼルビア内定)
長山監督評
「身体能力を生かしたプレーと左足の強烈なシュートが武器。攻撃の所では1年生の時から迫力があったが、守備の強度が増した。今年は副キャプテンとしてみんなの前で話すことも多くなり、コミュニケーション力もついてきた」

丸山竜平スカウト部長
「同じ町田を拠点とする素晴らしい大学から獲得することができて喜ばしく思います。大学1年の時に初めてみたのが、小平でやったFC東京との練習試合。そこから大学2年の時に練習試合に参加してもらったり、長い間、強化部で話が出ていた選手だった。左足の強烈なシュートと、周りを生かせるプレーが特長。攻撃の部分だけじゃなく守備の部分でも成長している。来年も監督が変わらない中でオーダーもあった。有難い加入。特別指定選手としてすでにデビューもしてくれている。まだまだ伸びる要素があるし、出来る選手だと思う。クラブと共に成長していってほしい」

●MF田中和樹(京都サンガF.C.内定)
長山監督評
「身体能力が抜群に高くて推進力のある選手。献身的な守備もしてくれて、チームに貢献できる選手。個人で突破する力を持っているが、大学で判断力を身に着けた。京都は来年度からJ1に昇格するが、その勢いに乗って活躍してくれることを望んでいます」

中山博貴スカウト
「長山監督とは同郷(鹿児島)出身でコミュニケーションを取らせてもらっている。田中選手は2年生のころに見た瞬間から引き付けられるものがあった。キジェ監督が攻守にアグレッシブなサッカーをするというところで、田中選手の爆発的なスピードに興味を持った。間違いなくフィットすると思ってオファーを出しました」

●FW中井崇仁(藤枝MYFC内定)
長山監督評
「ゴール前でのアイディア、嗅覚を兼ね備えた選手。ピッチ外では主務を務めた。グラウンドの手配などをやってくれている。そこも自分から進んで取り組んでくれている。前向きに取り組める人間性がある。試合に出る出ないにかかわらず、練習から100%でやってくれる。指導者としてなくてはならない選手。藤枝MYFCに加入してからもサポーターに愛される選手になってくれると思う」

大迫希強化担当
「昨年で現役を引退して全く分からない中でしたが、中井選手を一目見たときに、攻撃のところで、特にフィニッシュのところで貢献してくれると思った。すぐに長山監督に電話して、獲得したいと言いました。人のこころを思いやれる選手。素晴らしいメンタリティを持っているので、一緒に成長していければと思っています」

●FW飯島陸(ヴァンフォーレ甲府内定)
長山監督評
「高校選手権で得点王を獲得するなど、鳴り物入りで入学してくれた選手。彼の特長はタイミングのいい裏への抜け出し、守備でもハードワークしてくれる。サイズがない選手ですが、だからこそ子供たちに夢を与える選手になってくれると思う。大学で苦労したところもあるが、先輩がいる甲府に入って、今年も上位でフィニッシュしたが、J1昇格の力になってくれればと思います」

森淳スカウト
「有名な選手だったので、最初はうちには来てくれないと思った。でも去年(法政から)入った長谷川(元希)が『僕と合うんですよね』という。『ちょっと見てください』と。実際に見るとこれは面白いなと。練習に呼んだ時も長谷川がどんどんパスを出してくれた。今年は大きいストライカーを取ろうかと話をしていたが、面白かったので取りました。(今年は法政から入った)長谷川が7得点、関口が2得点だった。(飯島も)9点取ってくれたら助かる。10点取っちゃうとほかのチームが獲っちゃうので(笑)、まずは9点を目指してほしい」

●DF宮本優(東京ヴェルディ内定)
長山監督評
「もともとボランチだったが、今年から右SBでプレーするようになった。試合に出れば出るほど成長した選手。最近ではリーダーシップを取って、声掛けも出来るようになった。優しい性格で、後輩からも慕われている。優の字の通りにと育っている。井上(平)コーチも法政からヴェルディ。彼が行くのも縁。活躍してくれることを期待しています」

坪井健太郎強化
「江尻強化部長と私で継続的に試合を拝見させていただいて、練習参加してもらった。彼のパフォーマンスで特徴的なのは2つ。まずはサイドバックとしてプレーしているときの運動量。今のヴェルディに間違いなくプラスになる。もう一つはヴェルディの世間のイメージはテクニカルだと思われていると思うが、今後進化するためにハイインテンシティ、強さが必要だと考えている。そこも彼のストロングポイントと考えて、オファーする重要な要素となった。可愛げのあるキャラクター。ファンを魅了することも大事になる。人柄で愛される選手になってくれることを楽しみにしています」

●MF安光将作(カターレ富山内定)
長山監督評
「高い技術を生かしたドリブル、パス、シュートといった攻撃のセンスが抜群にある。大学でフィジカルを鍛えて体も一回り大きくなった。明るいキャラクターで笑いの場を提供してくれる人柄を持っている。富山は私も所属していたクラブですが、J2復帰のための力になってくれることを期待しています」

遠藤善主強化部長
「(長山監督とは)私がコーチ、彼が選手の時からの関係。安光選手には練習参加してもらった時にウイングバックを初めてプレーしてもらったが、戦術的な理解度が高い選手だと感じた。(2年前に法政から加入した)末木、松澤がいるが、チームの中心としてプレーしてくれている。彼にも頑張ってもらいたい」

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