beacon

Jリーグ次期チェアマン内定の野々村芳和氏「サッカーは一つの作品。より良い作品を多くの人たちに届けたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

村井満チェアマンと野々村芳和氏

 Jリーグは31日、村井満チェアマンの後任として北海道コンサドーレ札幌の会長を務める野々村芳和氏が6代目チェアマンに就任することを発表した。元Jリーガーとしての就任は初めてとなり、3月15日開催予定の定時社員総会ならびに同日の理事会決議をもって正式に決定し、新体制が発足する。

 現役時代に市原(現千葉)や札幌でプレーした野々村氏は、01年に現役引退。その後は札幌のチームアドバイザーなどを務め、13年には札幌の代表取締役社長に就任。今月12日には代表取締役会長への就任が発表されていた。

「選んで頂いて大変光栄ですが、ここからいろんなことを決めて、動かしていかないといけない責任をすごく感じている」。ZOOMでの会見に出席した野々村氏はそう心境を話しつつ、「その中で大事にしたいことを自分なりに考えてみると、やっぱり40年以上サッカーと一緒に生きてきました」と続け、意気込みを語った。

「サッカー少年だった気持ちや選手になった気持ち、引退した後にメディアでサッカーを伝えた時の気持ち、そしてクラブの社長としてクラブを背負っていく時の気持ち。その立場に応じた気持ちを経験してきているので、いろんな難しい決断をしないといけない中で、その時代に感じた気持ちを大切にしながら、より良いサッカー界にしていけるように頑張っていきたい」

 現在のJリーグの課題について問われた野々村氏は「より多くの人たちにどうやってJリーグ、日本のサッカーを届けるかは課題だと思っている」と返答。「サッカーはすごいシンプルだと思う。強いところが上に行き、弱いところが下に行くという当たり前のことを、もう一回、各クラブ、リーグで再認識したうえで、より良いサッカーを届けたい」と熱く語った。

「サッカーは一つの作品だと思っている。ピッチ上のクオリティがもちろん大事だけど、スタジアムのスペックや各クラブの催し物も含めて、あのスタジアムに行きたいと思うもの。何よりもサポーターの人たちが作ってくれる熱量、雰囲気が相まってサッカーという作品ができる。より良い作品を毎週提供していくという当たり前のところを、もう一回各クラブの皆さん、選手、監督と意識しながらやっていく。それが色々なことを決めていく上でのもっとも大事な基軸になると思うので、多くの人に伝える、その作品をどうやったら多くの人に伝えられるかというところを、一番のポイントにして進めていきたい」

 また、経営者としてクラブに関わってきたことで、「クラブの社長だけでなく、クラブに関わる人たちは目の前の勝負を本当に死ぬ気でやっている」と一戦一戦に対しての熱い思いを肌で感じてきた。だからこそ、「いろんなことを決めていく中で、毎週毎週のあの気持ちは忘れないようにしたいと今、強く思っている」と力を込めた。

 同席した村井チェアマンは「今後、野々村さんらしい大改革を歓迎するし、心から応援したい。野々村さんの言葉の端々に、僕にはない視点や覚悟、色んな思いが見えたように思う。そのエネルギーや思いがJリーグを発展させていくのだろうと感じている」と大きな期待を寄せた。

(取材・文 折戸岳彦)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2022シーズンJリーグ特集ページ
●“初月無料”DAZNならJ1、J2、J3全試合をライブ配信!!

TOP