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ボランチ&右ハーフで獅子奮迅も…鹿島新加入MF樋口雄太「もっとゴールに向かっていきたかった」

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MF樋口雄太

[2.13 いばらきサッカーフェスティバル 鹿島 0-1 水戸 カシマ]

 J2の水戸ホーリーホックに0-1で敗れた鹿島アントラーズだったが、新加入のMF樋口雄太は確かな爪痕を残していた。「どんどんボールを受けて前を向いてゴールに向かっていく姿勢をもっともっと出していきたい」。アカデミー時代から長年過ごしたサガン鳥栖を旅立ち、新たな土地で始まったチャレンジ。タイトル獲得が義務付けられる名門の復権に向け、背番号14にかかる期待は大きくなりそうだ。

 小学生時代から鳥栖の育成組織で育った樋口は2019年、鹿屋体育大を経て鳥栖に加入。3年間で絶対的な主力に定着し、背番号10を任された昨季は37試合6ゴールを記録した。ところが今オフ、経営難に見舞われた鳥栖からは多くの中心選手が巣立ち、樋口も鹿島からのオファーを受けて完全移籍。初めて地元九州を離れ、新たな挑戦をスタートさせた。

 今季の鹿島は新指揮官のレネ・ヴァイラー氏が入国制限によって合流が遅れている中、クラブの黄金時代を支えた岩政大樹氏がコーチとして代理指揮。それでも「攻撃に関しては選手のアイデアを出していくというのは共有スタンスでやっているし、より自分の良さは活きてくる」と手応え。中央でのサイドでもプレーできるポリバレント性も活かしつつ、充実した船出となっているようだ。

 初の公開対外試合となったいばらきサッカーフェスティバルでも、樋口はボランチと右サイドハーフでプレー。ボランチでは最終ラインと前線とのつなぎ役を自身の判断でこなし、少ない攻撃参加のチャンスではドリブルでPKも獲得。右サイドハーフではクロスに飛び込む形で惜しいヘディングシュートを放つなど、樋口の動きによって得点の匂いを感じさせていた。

 もっとも、プレーに多く関われただけに敗戦の責任も大きく感じているようだ。「前半はボランチをやったけど、もっと自分のところでボールを落ち着かせることができればスムーズに攻撃に移れたと思うし、ボールを受けた瞬間に一番前の選手を見ることでよりチームの良さが生きてくる。そこは反省点。前半はゼロで終えられたので最低限だったけど、攻撃に関してはもうちょっとゴールに向かっていきたかったなというのが正直ある。後半は右サイドを途中からやったけど、ボールに絡んでのチャンスメークだったり、そういうところが求められるので、もっともっとやらないといけない」。

 そう振り返った樋口はキャンプで取り組んできた内容についても「積み上げてきたことをなかなか出すシーンがなくて、改善する余地がある」と反省。とはいえ、この日見せたパフォーマンスが終着点でないのはポジティブ要素でもある。樋口は1週間後のシーズン開幕に向けて「もっと意図的にボールを回して、意図的に数的優位を作ったり、そういう細かいところをやっていくことで、得点につながっていくかなと思う。残り1週間で進めていきたい」と意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)
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