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脳震盪から合流直後のDF関川がまさかのミス…敗責背負った鹿島・岩政コーチ「彼を使う判断をしたのは僕」

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0-2で敗れた鹿島アントラーズ

[2.26 J1第2節 鹿島 0-2 川崎F カシマ]

 前半開始2分、鹿島アントラーズのホーム開幕戦はまさかのミスから始まった。「思いもよらぬ展開で試合が始まり、そのミス自体は僕はあまり気にしないが、置くようなまま試合が進んだことに非常に悔しさが残る」。試合後、監督代行として指揮を執った岩政大樹コーチは悔しさを隠しきれない様子で話した。

 川崎フロンターレの最初の決定機となったミドルシュートが枠を外れ、迎えた鹿島のゴールキック。GKクォン・スンテからのボールを預かったDF関川郁万は短いパスを選択したが、これがFW知念慶に奪われ、試合を決める先制点が決まった。チームはその後もショックから立ち直れず、一方的に攻め込まれるまま前半17分にセットプレーから追加失点。この2点が最後まで重くのしかかり、ホーム開幕戦を落とした。

「非常に悔しい敗戦。ホーム開幕戦でもあるし、川崎に対してということで多くのサポーターの皆さんに期待していただいて迎えた試合をこのような形で落としたことに対して非常に責任を感じている」

 そう振り返った岩政コーチは前半限りで交代させた関川のミスにも言及。前節のG大阪戦(○3-1)で脳震盪の症状が見られ、復帰した直後だった背番号5を起用した責任を自ら背負った。「彼を使う判断をしたのは僕。脳震盪の診断を先週受けて、2日前に合流して、試合に使うかどうかをかなり迷ったが、彼にこの試合を経験させたいという僕の思いが勝って試合に出した。僕の判断が負けを招いたと言えるんでしょう」。その上で「この経験を彼がどう活かすかが彼の今後につながっていく。まずは彼自身が乗り越えるべきだと考えている」と期待を語った。

 この日の鹿島は前半45分間でシュート1本。システム変更を講じた後半は優勢に転じたことを考えれば、前半は2失点という守備の課題以上に攻撃の停滞感が目立った。

「僕が常々言っているのはサッカーはシステムの噛み合わせだなんだというが、最終的には選手の準備と選手の判断が早いか相手のプレッシャーが速いかだけの話。ボールを受ける前の準備をしなかったり、相手が来る想定をしなくてボールを呼び込めば、プレスにハマるだけの話。それが前半にできなかった。練習に問題があるのかもしれないし、僕の声掛け、マネジメントに問題があるのかもしれないし、いずれにせよ分析して今後に生かしていかないといけない」

「あとは選手たちが近くから判断していることが目についた。選手の目線がそうなってしまったことについて、自分がどのようにアプローチすべきだったかを考えている。本来であれば相手の背後、中盤の背後、そして相手FWの背後を見ながら、相手が出てきたところを狙っていた。なぜできなかったかといえば、川崎はハイプレスに強く来なかった印象だったが、選手たちには速く見えた。臆病さ、失点したショックだったりしたんだろうが、そこは前半のうちに修正したかった」

 そう課題を明かした岩政コーチはハーフタイムに「よく0-2で帰ってきた。0-2で帰ってきたことで勝ち目がまだある」とあえて前向きに話し、システム変更の要点を伝えて選手たちを送り出したという。だが、優勢に持ち込んだ後半もゴールまでは奪えず。「後半は追い詰めるところまではいったが、得点まで奪えなかったこと、逆から考えれば守り切った川崎の強さを打ち破れなかったということ。今日は僕たちの負け」と敗北という結果に向き合っていた。

(取材・文 竹内達也)
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