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熊本・大木監督のもとで花開く大卒新人たち…阿部海斗、東山達稀がダブルプロ初弾で無敗・東京Vを撃破

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決勝点を挙げたMF東山達稀

[4.9 J2第9節 東京V 2-3 熊本 味スタ]

 ロアッソ熊本が今季無敗の2位・東京ヴェルディを撃破した。3得点のうち2ゴールは大卒新人2選手のプロ初ゴール。先発のDF阿部海斗がチーム1点目を、途中出場のMF東山達稀が決勝点を挙げた。

 前半29分に先制を許した熊本だが、同36分に阿部が同点ゴールを挙げる。左サイドから大きく上がったクロスを、PA右の深い位置まで走り込んだ阿部が右足ダイレクトでワンタッチ。ふわりと上がったボールは相手GKの頭上を越え、そのままゴールに入った。「折り返しを狙ったんですけど、うまくゴールに吸い込まれた」。ゴールを狙ったわけではないが、攻めの意識を高く持った結果のプロ初得点となった。

 試合はその後に激しさを増し、2-2のまま終盤へ。大木武監督は後半38分に東山を投入する。指揮官の狙いはただひとつ、決勝点。すると同40分に思惑が的中する。MF伊東俊がボール奪取からカウンターを仕掛け、PA左にパスを出す。走り込んだ東山が左足を一閃。「何も考えないで、思いっきり打ってやろうと思って打った」というボールの弾道は、鋭くゴールに突き刺さる。今季無敗の東京Vを打ち破る決勝点となった。

 阿部は福岡大卒、東山は静岡産業大卒のルーキーだ。FC岐阜時代にも古橋亨梧(現セルティック)や大本祐槻(現琉球)を一年目から重用してきた大木監督のもと、阿部も開幕9試合で先発出場。そして東山はこの試合が3試合目の途中出場となったが、指揮官の采配で勝利をもたらした。

 阿部はこの試合もウイングバックで起用されると、序盤から右サイドで激しく上下動。チーム2点目を挙げたFW杉山直宏とともに連動して何度もチャンスを作った。その結果の初ゴール。「なかなか取れない中で、きょうの試合で得点を取ることができた。非常に嬉しく思います」と喜びを表した。

 実戦の経験とともに自信も増す。「今日みたいな試合ができれば、どんな相手でも僕たちのサッカーができますし、やれる自信もある。次も今日みたいなサッカーをして勝ちたいと思います」とたしかな手応えを語った。

 東山はここまで2試合出場も時間は6分のみ。だが3試合目となった今節、少ないチャンスを決め切った。指揮官も「練習試合で外すことも多いので、どうかと思ったんですけど、うまく決めてくれましたね」と目を細める活躍。一方、東山は「素直にうれしいという気持ちがあるけど、また9試合終わっただけ。まだこれからと思っているので、もっと得点に絡むプレーをやっていけたら」と満足はしていない様子だ。

 熊本は阿部、東山のほかにもMF藤田一途(←仙台大)、MF江崎巧朗(←駒澤大)、FW土信田悠生(←駒澤大)と大卒ルーキーを多く揃える。それがチーム内でいい競争を生んでいるという。東山も「海斗は毎試合スタメンで出ていて、もちろん負けたくないという気持ちは自分の中でもあった。結果につながったっていうのはよかった」とライバル心を垣間見せた。

 それを知ってか知らずか大木監督。初ゴールのルーキーたちについてコメントを求められると「いい方向につなげてほしいですね」とポツリ。言葉少なげながらも、ニヤリと笑みを浮かべていた。

(取材・文 石川祐介)
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