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“課題”活かして鹿島完封…名古屋DF藤井陽也「持ち味で絶対に負けたくないと思っていた」

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名古屋グランパスのDF藤井陽也

[4.17 J1第9節 鹿島0-0名古屋 カシマ]

 勝負のプロ4年目に臨む名古屋グランパスのDF藤井陽也が、3バックの中央で鹿島アントラーズを完封した。187cmの長身を活かした空中戦で相手の攻撃の芽を摘み続けた21歳は「上田綺世選手、鈴木優磨選手もヘディングが強かったけど、持ち味で絶対に負けたくないと思っていた。そこは絶対に譲れない」と意地を見せた。

 J1第3節鳥栖戦(△1-1)で負傷したDFチアゴに代わって前半11分から途中出場し、そこからJ1リーグ戦7試合連続で出場機会を獲得。以降はルヴァン杯も含めてほぼ先発でフル稼働しており、プロ4年目にして最大のチャンスが巡ってきている。

 それでも藤井は現状には満足していない。「いま自分の課題はクロスの対応。ガンバ戦でパトリック選手に何回か行かれたり、この前のコンサドーレ戦もクロスからやられた。相手FWと駆け引きしていく中で、クロス対応を身につけていかないといけない」。第6節のG大阪戦(●1-3)、前節の札幌戦(●0-2)での失点シーンを胸に刻み、日々のトレーニングに取り組んでいるようだ。

 だからこそ、この日の鹿島戦は自身の積み重ねを見せるための格好の機会だった。冒頭の言葉にもあるように、相手にはFW上田綺世、FW鈴木優磨といった日本代表クラスのFWが揃い、サイドからのクロス攻撃が大きな脅威。「強力な2トップがいる中で、クロスはポイントに挙げていた。僕個人としてコンサドーレ戦でクロスからやられたので、集中力を持って臨んでいた」と振り返る。

 そうした中、チームは4日前に行われたルヴァン杯前節の広島戦から3-5-2の新システムを採用。DF丸山祐市、DF中谷進之介という経験豊富なCBに脇を固められ、守備の安定感がさらに増していた。その甲斐あって、鹿島を枠内シュート1本に抑え込む完封劇を演出。藤井は「3バックだけでなくチーム全体がしっかり集中して守れた」と手応えを語った。

 昨季までの3年間はJ1リーグ戦10試合の出場にとどまっており、藤井にとっては小学生時代から過ごしてきた名古屋での生き残りをかけた大事なシーズン。十分な出場機会を得ているぶん、「試合ごとに課題が見つかって成長できている実感はある。でも勝ったり負けたりという状況なので、自分がグランパスを勝利に導くくらいの活躍をしないといけない」と大きな責任感を持って戦っている。

 そのため「常に無失点というのを目標にしている」という昨季基準の堅守への意識に加え、攻撃面にも目を配る。「3バックでやる時も4バックでやる時もチームとしての方向性は変わらない。積極的な守備から攻撃につなげることが大事。後ろからコンパクトにすることでより良い攻撃に結びつけていけるので、そこを狙っていきたい」。失点減だけでなく勝利のために。地元育ちの若きCBが上昇機運をつくっていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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